米投資銀行ジェフリーズのアナリスト、ピーター・ミセク氏は、アップルがiPhone 6の価格をさらに100ドル(約1万円)上げるためキャリア各社と交渉を開始したと語りました。米国Business Insiderのレポートです。
ミセク氏によると、「我々の調査から、アップルがキャリア各社と値上げの交渉を開始したことが明らかになった。キャリア側は最初ノーと回答したが、今年は市場の流れを変えるようなデバイスが他に発表されないため最終的には承諾する見通しだ」とのこと。
なぜアップルはこのような交渉を行う必要があったのでしょうか?ミセク氏はその点を説明していませんが、おそらく、アップルがキャリア各社と結んだ販売補助金に関する長期契約に関係があるとみられます。
iPhoneが属するハイエンドスマートフォンの市場は飽和状態にあり、成長はローエンドの市場に移行しています。結果、iPhoneの販売の伸びは前年比で一桁台に鈍化しました。
しかし、アップルは今年、4.7インチと5.5インチの2つの新しいiPhoneをリリースする予定です。5.5インチのiPhoneはアップル初のファブレット製品となり、高い価格で販売されると予測されています。
アップルは、昨年作成した内部文書の中で「世界の人々は値段の安い大型のスマートフォンを望んでいる」と記し、スクリーンサイズを大型化し値段を抑える必要があるとの認識を示していました。その一方で、アンドロイド勢による値下げ圧力の影響は受けないとの認識も示しています。例えば、iPadは当初400ドル(約4万円)で販売される予定でしたが、アップルは消費者があと100ドルを支払うと考えて価格を設定し、実際その判断は正しかったのです。
アップルは、100ドルの値上げは大型iPhoneの成功の可否を決めるものではないと考え、また、値上げによりコストの増加を相殺できると考えているようです。ただ実際のところ、現金で1,500億ドル(約15兆円)を保有する企業が価格にさらに100ドルを上乗せすれば、利益を追求しすぎると受け取られる可能性はあるかもしれません。
追記 - 9月3日
TK TECH NEWSが3日に伝えたところによると、香港でのiPhone 6の価格は、4.7インチモデルが、16GB - 約9万円、32GB - 約10万3千円、64GB - 11万8千円とのこと。