アップル対サムスンの特許訴訟で提示された内部文書から、アップルが、大型スクリーンを持つ低価格のアンドロイドフォンを脅威と捉えていたことが明らかになりました。米国のMac Rumorsが伝えています。
この文書はアップルの販売チームが2014年会計年度の、ある社外会議のために作成したものとされ、大型の画面を持つ、iPhoneより安いスマートフォンのせいでiPhoneの成長が低下していることや、競合各社が自社のハードウエアやエコシステムを大幅に改善していることが記されていました。
またこの文書には、ライバル会社が「広告やキャリアのチャネルに法外な費用をかけていること」や、携帯電話会社が、高額な補助金を支払わねばならないことから、iPhoneの販売を制限することに関心を抱いているなどといった懸念も記されていたようです。
これらは、サムスンが、アップルの上級副社長フィル・シラー氏の反対尋問の期間中に陪審員に提示したものです。4日午前(米国時間)に証人席に立ったシラー氏は、この文書はアップルのポリシーを代弁するものではなく、含まれる情報の大半は彼が同意するものではないと述べています。
iPhone 5cの発表前には、多くの人が、アップルはこれにより低価格のスマートフォン市場に参入しアンドロイドフォンに代わる機種として5cを位置付けていくだろうと予測していました。しかし実際は、ティム・クック氏が後に述べているように、5cは低価格というよりむしろ中間価格帯の製品でした。
アップルは、たとえ熾烈な競争の中にあったとしても値段のために品質を犠牲にすることは望んでいませんが、アンドロイドフォンと競争し、大型スクリーンという新たな領域で成長を加速するため準備を行っていることは確かなようです。今年後半の発売が噂されるiPhone 6は、5sより大型の4.7インチと5.5インチの2種類のサイズで発表されるとみられています。アナリストたちは、大型iPhoneの発表はアンドロイドへの乗り換え組を多く呼び戻し、アップグレードが急激に増加すると予測しています。
対サムスンの訴訟で明らかにされた文書には、上記の他、Googleとの「聖戦」に関する記述や、2013年前半の広告への不満からアップルがパートナーのMedia Arts Labとの契約解消を検討しているといった内容も含まれていたとみられます。