アップルは27日(米国時間)、「hello again」と題するイベントを開催しました。基調講演では、主としてMacと「テレビの未来」に重点が置かれていましたが、他にも興味深い発表がいくつかありました。
同イベントで明かされたことを振り返ってみましょう。
アップル初のラップトップである初代PowerBookの登場から25周年目となる今週は、MacBook Proの大幅な刷新にはうってつけのタイミングだったようです。噂にも出ていた通り、新しいMacBook Proには従来のファンクションキーに代わり有機ELディスプレイを使った「Touch Bar」が搭載されました。
MacBook Proのデザインは、旧モデルのMacBook Pro Retinaディスプレイモデルより14~17%薄型化し、約0.2kg軽量化。ディスプレイのサイズは13インチと15インチ、カラーはシルバーとスペースグレイの2種類。さらに、感圧タッチトラックパッドと、12インチMacBookに採用されていたバタフライ構造の、新しい第2世代のキーボードを搭載しています。
仕様は、15インチモデルが、クアッドコアCore i7プロセッサ、AMD Radeon Pro(最大4GB)、最大16GBのRAM。13インチモデルはCore i5またはi7プロセッサ、Intel Iris GPU。Thunderbolt 3(USC-C)ポートは2~4つ搭載され、SDカードスロットは廃止されました。
MacBook Proは本日より発売開始です。
13インチモデル:17万8800円~
15インチモデル:23万8800円~
ファンクションキーに代わり登場したTouch Barは、タッチやジェスチャーで操作します。ソフトウェアに応じて表示が変化し、例えばウェブブラウザを使用しているときにはブックマークやオプションを表示することができます。
写真アプリを使用しているときには編集用のボタンが表示され、Touch Barを指でスライドすることで写真を閲覧したり、フィルタを変更したり、サイズを変更したりすることができます。Dockのように、ユーザーはデフォルトの表示を自分でアレンジでき、キーボードのFnキーを押せばこれらをすぐに呼び出せます。
Touch Barには、Touch IDも統合されました。iPhone 6sや7と同じ第2世代Touch IDセンサーを採用し、新しいT1チップを搭載。Apple Payを使った支払いも可能です。また、複数ユーザーに対応しており、タップするだけでアカウントをすばやく切り替えられます。
イベントではプロ向けのさまざまなアプリケーションの更新も発表されました。Touch Barに対応した新しいFinal Cut Proは、ビデオを全画面で再生しているときでも、オーディオスライドのコントロールとあわせて、ビデオのタイムラインをインタラクティブに表示することができます。
また、Adobe PhotoshopやDJ ProでTouch Barを使用する方法についても紹介されました。この他、Microsoft Office、Pixelmator、Sketch、DaVinci ResolveなどもTouch Barに対応するとのことです。
LGが新しいMacBook Pro向けに開発した5Kディスプレイが発表されました。充電をしながら同時に作業もできるこのディスプレイを、上級副社長のフィル・シラー氏は「究極のドッキングステーション」と呼びました。MacBook Proは2つのモデルにともに対応しています。
MacBook Proの13インチモデルにはThunderbolt 3ポートが2つでTouch Barを搭載しないモデル(14万8800円)もあり、アップルはこれをエントリーモデルとすることで、今後はMacBook Airをアップデートしないと発表しました。とはいってもこのモデルもMacBook Airから薄型化、軽量化しているのでユーザーは十分に満足できるはず。MacBook Airは廉価版モデルとして当面販売は続けられるようです。
ユーザーがインストールした多数のアプリのすべてを横断する統一のハブとなる、Apple TV向けの新しいアプリ「TV」が発表されました。TVアプリはシングルサインオン方式を採用し、新しいアプリをデバイスに追加するたびに自動でログインすることが可能です。またTVアプリはiPhoneやiPadでも利用でき、すべてのデバイスで同じ認証プロセスにより同一コンテンツにアクセスすることができるとのこと。
また、Siriを使って、見たいニュースやスポーツの試合を直接呼び出すことができるようになります。たとえば、「シカゴベアーズの試合が見たい」と言うと、Siriが試合を放送しているアプリへ直接ナビゲートします。また、スポーツの試合結果を一覧表示することも可能に。ユーザーは、これまでよりもはるかに簡単に、見たいものにたどりつけるよう改良されています。TVアプリは今年中に無償で提供が開始されます。