アップルは、来月発表予定のiPhone 7からイヤホン端子を廃止する見通しです。ユーザーは、これまでのイヤホンに代わり、LightningコネクタかBluetoothに対応したイヤホン(または本体のスピーカー)を使用することになります。
イヤホン端子が無くなることで、どんないいこと(または悪いこと)があるのでしょうか。著名なアップルウォッチャーのジョニー・エヴァンス氏が伝えています。
恐らく大半のユーザーはBluetooth対応イヤホンを使用することになるはずです。この市場で大きなシェアを誇るBeatsをすでに買収しているアップルは、もちろんこの動きを歓迎するでしょう。
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Lightning接続のメリットは、デジタルオーディオのため音の劣化がないことと、ノイズキャンセリング機能が搭載されていることです。
アップルの他にも、Lenovo、Motorola、LeEcoなどがイヤホン端子を廃止しています。先日ローランドが子会社化した米国のヘッドホンメーカー、V-Moda社のCEOヴァル・コルトン氏は、「フラッグシップブランドの約30%がイヤホン端子の廃止を検討している。彼らはアップルの動向をうかがっている様子だ」と述べています。
イヤホン端子の幅はわずか3.5mmですが、50年の歴史を持つこの技術は、iPhone内部の一定のスペースを占有してきました。これがなくなることで、厚さ7.1mmのiPhone 6sをさらに1mm薄くすることが可能になります。
差込み口が減れば、デバイスの耐水性と耐久性はぐんと上がります。ドイツ銀行はiPhone 7について「プロ仕様の耐水性を持つ」と予測しています。
完全なデジタル接続となることでデジタルからアナログへの変換が不要になること、また、メーカーはアップルのLightning対応イヤホンの仕様書にもとづいて、アンプを内蔵したイヤホンを製造できることなどから、音質の向上が期待できます。
イヤホン端子が廃止される最大のメリットは、ディスプレイのスペースが広がることです。イヤホンのプラグを差し込み口のディスプレイ側に置いてみれば、プラグの先端とディスプレイの縁の位置が一致することが分かるはずです。つまり、イヤホン端子がなくなれば、空いたスペースをディスプレイのために活用でき、物理的ホームボタンからディスプレイを使用する感圧式ホームボタンへの移行も可能になります。
デバイスの完全なデジタル化により、音楽レーベルがより厳しいDRM(デジタル著作権管理)を要求するようになるともいわれています。
via - Computerworld