アップルが、iPhoneのカメラにソニー製画像センサーを使用していることは広く知られています。アナリストによると、iPhone 6には、2つのソニー製画像センサーと関連部品が搭載されており、ソニーは1台のiPhoneにつき20ドルの収入を得ているようです。
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は28日(現地時間)、「How Sony Makes Money Off Apple's iPhone(ソニーはいかにしてアップルのiPhoneで稼ぐのか)」と題する記事を掲載しました。記事では2人の著者が画像センサー市場について分析を行い、競合他社と比較してあらゆる点でいかにソニーが優れているのかについて伝えています。
調査会社テクノ・システム・リサーチのデータによると、画像センサー市場におけるソニーのシェアは昨年、前年比5%増となる40%にまで達しました。後には、米オムニビジョン・テクノロジーズ社(16%)、サムスン(15%)、その他(合計約29%)が続いています。
ソニーがシェアを拡大した背景には、アップルやサムスンへの部品供給があります。iPhone 6やGalaxy S6にも同社の画像センサーが使われています。
記事は主にスマートフォンのカメラについて書かれていますが、ソニーの画像センサーのシェアには、ミラーレスや一眼レフのセンサーなども含まれており、これらの画像センサーは、実は多くのメーカーに供給されています。
一方で記事は、いつまでもこの状態は続かない可能性があるとも伝えています。
一部のアナリストは、さしあたってソニーが解決しなければならない重要な課題は、安定供給ではないかと分析しています。アップルは事前の警告もなくサプライヤを変更することがあり、アップルにこのまま依存し続けても、ソニーの繁栄は長期的には続かない危険性があるからです。
とは言えソニーもまた、何も対策を打っていないわけではありません。同社は今年2月、画像センサーの研究開発に約10億ドル(発表当時、約1050億円)を投じ、さらにゲーム機の分野にも注力していきたいとの発表を行いました。
また記事では、世界の画像センサー市場は昨年、86億5000万ドル(約1兆270億円)にまで達し、2009年以降、80%の増加だったと伝えられています。