フィナンシャル・タイムズ紙は29日(現地時間)、アップルが次期iPhoneに近距離無線通信(NFC)機能を搭載する見通しだと報じました。NFCチップの供給は、オランダの半導体メーカー、NXPセミコンダクターズ社が行うようです。
iPhone6のものとされるロジックボード - Sonny Dickson
同機能が搭載されれば今後は、NFC対応の支払端末や発券システムにiPhoneをかざすだけで決済やチケッティングが可能になるとともに、他にもさまざまなサービスが実現されるのではないかと期待されています。
iPhone 6にNFC機能が搭載されるのではないかというニュースやうわさは、先週さまざまな媒体で相次いで報じられていました。そして今週、iPhone 6のものとされるロジックボードの画像が流出し、そこでこれらのうわさを裏付けるかのような、NFCチップと同サイズのスペースが発見されました。一方チップにはNXP社の「PN65」が採用されるのではないかと見られています。
続いて28日(現地時間)にもまた、ITニュースサイトWIREDがiPhone 6にNFC機能が搭載される可能性について報道。さらにアップルの事情通、ジョン・グルーバー氏も自身のブログで同様の見解を示しています。グルーバー氏によれば、アップルが採用するモバイル決済システムでは、A8チップに組み込まれた新型コプロセッサ「Secure Enclave」が利用されるだろうということです。
アップルは先月、VISAカードなど大手クレジットカード会社らとモバイル決済サービスの導入について協議中であると伝えられていました。アップルはすでにiTunesの決済で利用されている、何百万ものクレジットカード・データを所有しており、こうしたデータはモバイル決済サービスでも利用されるものと見られています。
またこれらの事業を進めるにあたり、同社ではクレジットカード業界で実績のある上級管理者を雇用する計画だとも言われています。いずれにせよこうした一連の流れから、独自のモバイル決済システムを構築するにあたり、アップルが熱心な取り組みを見せていることがうかがえます。
さて期待は高まるばかりの次期iPhoneですが、アップルはこのほど確定した来月9日のイベントで、iPhone 6とiWatchの同時発表を行うのではないかとされています。
via - MacRumors