今週初め、アップルの特許出願書類の内容から、同社がiPhoneのディスプレーカバーにサファイアガラスを使用する可能性があることが判明し、注目が集まりました。これに関連し、台湾のApple Dailyは最新の報道で、組立てを委託されているフォックスコンがサファイアガラスを使用した試作品100台の初回生産を開始したと伝えています。米国Mac Rumorsのレポートです。
Apple Dailyは、今回の生産は少数だが、アップルにとっては重要な実験になると指摘。また、サファイアガラスのサプライヤであるSynopsysとBern Opticsが裁断機等の製造機器に膨大な投資を開始したことも、アップルがサファイアガラスの使用を強めているとする憶測に一段と拍車をかけている、と伝えています。
MacRumorsも、アップルがスイスのMeyer Burger Technologiesと協同で、新しいガラス裁断機の取得に動いているとの情報を得ています。サファイアガラスは現在、カメラのカバーやTouch IDセンサーなどiPhoneの一部に使用されていますが、ディスプレーカバーに使用を拡大するとなると、生産を大幅に増やすことが不可欠とみられます。
昨年11月、アップルは米国のGT Advanced Technologiesと、サファイアの製造工場をアリゾナ州メサに開設する契約を交わしました。この工場はまだ稼動していませんが、アップルは自社スタッフの雇用を続けており、GT Advanced Technologiesも大規模な作業に対応するため従業員の採用を行っているようです。
サファイアガラスは、ディスプレーカバー用の高強度ガラスの後継材料として注目されています。しかし米国のガラスメーカーCorningは、同社のGorilla Glass 3の方がサファイアガラスよりコスト効率が優れていると主張。アップルは以前、サファイアガラスの実験を行ったものの実現が困難であることから一時は採用を見送ったとされていましたが、材料と生産技術のその後の向上により、採用を再度検討しているものとみられます。