アップルの新モバイルオペレーティングシステムであるiOS 7は当初、デザイナー、アプリ開発者、ジャーナリストから厳しい批判を受けていましたが、すでにたくさんの人々がダウンロードを終えているようです。米国のNew York Timesが伝えています。
オンライン広告大手Chitikaは、その広告を載せるアプリから得たデータをもとに、全iOSデバイスのうち18%が、18日(日本では19日)のリリースから24時間以内に、新iOS 7をダウンロード済みと推定。Chitikaは北米のアドインプレッション数百万のサンプリングデータを利用しています。iOS 7のダウンロード率は、昨年リリース初日でiOSデバイスのうち14.8%がダウンロードされたiOS 6のそれを上回った模様です。
これはアップルにとって朗報です。なぜなら顧客が最新のソフトウェアをもっていることは大変都合がいいからです。旧型のスマートフォンだと、新しいソフトウェアは新モデルのようには機能せず、いくつかの機能はまったく存在しないも同然となります。例えば、iOS 7の新カメラフィルター機能は、iPhone 4では機能しません。新OSを搭載することは、旧型iPhoneを持つ人々に、新機能を備えた新モデルを買わせるきっかけになります。
アップルのモバイルソフトウェアの新バージョンから学ぶことが一つあるとすれば、それは、普通の人々はハイテクの専門家らが言うことをあまり気にしていないということでしょう。多くの開発者、デザイナーがiOS 7の初期バージョンを、リリース前から細かく難癖を付けていました。使いにくい、デザインに魅力がない、などと。
iOS 6が昨年リリースされた時も同様で、ジャーナリスト、アプリ開発者は、その欠陥だらけのマップアプリをもつOSを痛烈に批判しました。そのマップは、Googleマップデータをアップル自社のもので置き換える試みでした。しかしアップルによると、リリース後5か月の時点で、iOSデバイス3億台がiOS 6にアップデートしました。その頃アップルは、約5億台のiOSデバイスを売り上げており、現在では7億台となっています。
最新のiOS 7は、これまでのバージョンと大きく様変わりしていますが、顧客らはその変化をおおむね肯定的に捉えている様子。Twitter分析を手掛けるTopsy社は、iOS 7に関するTwitter投稿を700万件サンプリングし、120万ツイートが肯定的、110万ツイートが否定的、残りが中立的との調査結果を発表しました。否定的なツイートの大半が、iOS 7のダウンロードに時間がかかるという不満に関するものだったそうです。