過去5年間ほど、スマートフォンを購入しようとする人にとっての問いとして古典的なのは、「アンドロイドかiPhoneか?」というものでした。しかし今日では、アンドロイドの大きな躍進、マイクロソフトの美麗なウィンドウズフォンの台頭があり、この問いに答えることはこれまで以上に難しくなっています。米国のThe Huffington Postが、iPhoneを基準においた比較記事を伝えております。
では、上の三つのオペレーティングシステム(OS)の強みと弱みについて、見ていくことにしましょう。あなたにとってどのスマホがベストなのか。勿論、あなたの使い方しだいです。
まず前半では、iPhoneとそのiOSについてです。iPhoneとiOSについて繰り返し言われること(またよく注目されること)は、アップルという企業が、ユーザーの求めていることをよく把握しており、それを提供し、そしてそれを「変えさせない」ということです。そのスマホ体験に変更を加えたりカスタマイズすることはほぼ不可能です。そもそもそんな必要がありません。
率直なところ、そうしてみたいという人もいるでしょう。iOSは完璧に近いとはいえ、この点については、アンドロイドやウィンドウズフォンから学ぶ部分があるのかもしれません。
強みゲームとアプリ: アップルはアプリが多いばかりでなく、素晴らしいアプリを揃えています。ゲームをする上では特にそうです。iPhoneでゲームをするのは、他のどんなスマホでするよりもスムーズです。
カメラ: iPhone 4Sのカメラは、他のどんなスマホをも圧倒しています。HTC One Xのカメラもわるくないですが、昼夜を問わず高品位の撮影ができるという点で、iPhone 4Sのそれがベストだと考えます。
使いやすさ: iPhoneはシンプルなインターフェースをもち、スマホ初心者にとって良い買い物です。ウィンドウズフォンも使いやすいと思います。大きなアイコンなので、視力の落ちた高齢者には都合がいいでしょう。しかしiPhoneの使いやすさは、電話の使い方から個々のアプリの使い勝手まで、誰にでも使えるものとなっています。またアップルのサポートチームの仕事ぶりも信頼を置くことができます。
iMessage: iPhoneは米国で最も人気のあるスマホです。iMessageは、iPhone同士であれば無料です。月極めの料金も最小に抑えることができます。
デバイスの速度: プロセッサーはひとまず置くとしましょう。iPhoneは今でも、入手可能なスマホの中で最速です。アプリもゲームも起動が早く、クラッシュしません。タッチスクリーンの反応は良好で、アンドロイド系スマホを凌いでいます。iPhone経験は満足度が高く、それこそがその洗練された外観を保てる理由です。
弱みマップ及びナビゲーション: いまだに音声によるナビゲーションが待たれているところです。iPhoneのマップ系アプリを使って、曲がり角ごとに音声で誘導される体験。音声ナビゲーション付きアプリを無料でダウンロードすることはできますが、Eメールやウェブサイト上のアドレスをクリックして方向を知ろうとすると、あなたの選んだGPSアプリではなく、アップルのマップに連れて行かれます。これには少しイライラさせられます。
facebook: facebook、Instagram、Google+、Dropboxなどに写真をアップロードする際、iPhoneの場合、もう少し簡単になってもいいはずです。世界最大のソーシャルネットワークであるfacebookにおいても、アンドロイドやウィンドウズフォンであれば、そのオプションが用意されていて、カメラ本体から直接友人らにタグ付けすることさえ可能です。しかしiPhoneでは、まずfacebookのアプリに入り、手動でアップロードする必要があります。
ホームスクリーン: iPhoneのホームスクリーンは、主要な三つのOSの中でも、最も融通が利かず限定的なものです。iPhoneのスクリーンをアンロックすると、あのお馴染みのアイコンの静的な行列があるばかり。他方、アンドロイドとウィンドウズフォンでは、「ウィジェット」や「ライブタイル」があり、個々のアプリを開かずとも、新着メールの閲覧、天気やヘッドラインのチェック、facebookやTwitterのアップデートなどが可能です。
メール: iPhoneのEメールにはがっかりするところがあります。iPhone上とアンドロイドデバイス上で、メール到着の速さを比べると、後者の方が速いです。また過去のメッセージを検索するのも、iPhone上では面倒です。
3G: アメリカの携帯キャリア大手のVerizonの販売員らは、iPhone 4Sが遅い3Gしかサポートしていないため、4Gサポートのアンドロイドデバイスの方をより強く売り出そうとしているとのことです。実際の話、電話をかけたり、テキストメッセージを打ったり、ネットサーフィンするくらいであれば、OSの差よりも、3Gと4Gのスピード差の方がはるかに重要です。PC Worldの調査によると、3Gスマホと4G LTEスマホを比較した場合、そのデータ送信速度はそれぞれ、1.05メガバイトと7.35メガバイトとなり、その差は歴然でした。
iPhoneを購入するのがいいのは誰?iPhone 4Sを買うのは、ピザ屋に入ってペペローニパイを一切れ買うようなもの。安全な選択肢で、まず後悔することはありません。しかしよく熟考すると、他に選択肢はなかったものかと自問することになるかもしれません。
iPhone 4Sは、スマホでゲームをするのが好きで、たくさんのアプリをダウンロードしてスマホの機能をいっぱい増やしたいと思っている人には最高です。主にカメラとしてスマホを使いたいと思っている人にも、iPhone 4Sはベストでしょう。また、いかに使いやすいかという観点からしても、アップルの有名なGenius Barで技術サポートが受けられることもあり、システム面で面倒な思いをしたくないと考える初めてスマホを購入するような人にはiPhoneがお奨めです。たくさん訊きたいことがある、サポートが必要になるだろうという人にとって、アップルのヘルプデスクは素晴らしいものがあります。
しかしながら、スマホでEメール、テキストメッセージ、ネット閲覧をしたいと考える人は、新iPhoneが4G LTEにアップグレードする(おそらく今年10月)のを待つべきかもしれません。特に大都市に住んでいるのであれば、4Gの配備は早いでしょう。今から二年後ぐらいには、3Gの遅さが実にバカらしいものだったと回顧するようになる可能性があります。4G LTEの整備は着々と進んでいます。あなたがiOSとiPhoneに留まりたいと思うのであれば、あと5か月待つのが得策です。