正式な発売日はまだ公表されていないものの、アップルのスマートスピーカー「HomePod」が間もなく日本でも発売されます。これに先立ち、HomePodを一足先に手に入れた日本のメディアが、レビューを公開しています。
すでに日本では米グーグルや米アマゾン・ドット・コムのAIスピーカーが発売されているが、アップルのHomePodはそれらとはコンセプトがかなり異なる。グーグルやアマゾンの製品は、問いかけによってさまざまな機能を呼び出せる「スマート機能」を重視している。これに対しHomePodはスマートさよりもまず「スピーカー機能」。つまり音を重視した作りになっている。
⇒ 日経電子版
では、HomePodの存在意義とは何だろうか。それは、Apple製品のユーザーがリビングや書斎などで、最もシンプルに音楽に近づき、楽しむためのソリューションということだ。
HomePodには設定すべき項目が少なく、ほとんど"おまかせ"で使える。選べる音楽ストリーミングサービスは限られている(Apple Musicに加え、秋以降は「TuneIn Radio」が利用できる)上、ペアリングできるデバイスはiPhoneかiPadに限られ、ホームオートメーションシステムはHomeKitしかサポートしない。
しかし、それ故に設置してペアリングするだけで、スピーカーにつきもののセッティングに配慮しなくとも、かなり良質の音質で音楽を楽しめる。
⇒ ITmedia
HomePodはSiriが利用でき、天気予報などが調べられるほか、iPhoneを経由して電話も掛けられる。だが、手元にiPhoneやiPadがある場合には、そちらで利用した方が好ましいケースも少なくない。例えば、週間天気予報やスケジュールは、画面で見た方がはるかにわかりやすい。
だから、iPhoneを操作中にSiriに話しかけると、iPhoneのSiriが反応する。逆にiPhoneを机の上に放置して話しかけると、HomePodが反応してくれるというすごい仕組みを搭載している。Siriは、ユーザーが使おうとしているデバイスがわかっているわけだ。(中略)HomePodはSiriを利用できるのだが、これはオマケのようなもの。iPhoneやiPadだけで使っていてもさほど変わらない。
HomePodの何がいいって音質が素晴らしい。これはほとんどの海外レビューも共通してた意見で、ウーファーの低音はずっしりしつつもしっかり伸びるし、部屋のどこにいても楽曲のメインパートはしっかり耳まで届きます。
これにはHomePodに搭載されているA8チップが貢献しています。自分がどんな場所に置かれているのか、そこから出す音はその部屋にどんなふうに響くのか、出音をリアルタイムに解析して最適化します。
⇒ GIZMODE
続いて気になるのは「他のOSのデバイスから音を鳴らすことができるのかどうか」だ。先に答えを言ってしまうと、これも非常に大きな制限がある。スマートスピーカーには、外部入力があったり、Bluetoothで接続して再生ができたりするものが多い。だが、HomePodはどちらもできない。
まず、外部入力がそもそも存在しない。それどころかネットワーク接続もWi-Fiのみで有線接続は不可。本体にコネクタはなく、出ているのは電源ケーブルだけ、というすばらしく割り切った構造である。だからデザインがすっきりしているのだが、「他の機器で使う」観点からすればマイナスだ。
⇒ Engadget
HomePodで常に議論となる点が、スマートスピーカーとしての使い勝手だろう。例えば一般的なスマートスピーカーの定義をAmazon EchoやGoogle Homeとし、それぞれのアシスタンスサービスや連動スキルが織りなす機能性、拡張性と比較するならば、HomePodは"あまりスマートではない"と言える。
HomePodの音声操作機能はすべてSiriに依存しており、直接接続されるオーディオサービス(天気やスポーツ情報、ラジオなどを含む)を後から追加することは基本的にできない。
今秋のアップデートでインターネットラジオサービスのTuneInに対応することになるため、日本も含め数千のラジオ局が流せるようになるが、現時点では音楽サービスはすべてApple Musicに依存している。
他のオーディオサービスも同じで、たとえばHomePodはその日のニュースを尋ねるとNHKのニュースが流れるようになっているが、別のニュースサイトへと変更することはできない。
⇒ AV Watch