産経ニュースは26日の記事で、携帯大手3社が2年間の契約を前提に大幅な割引を行う、携帯電話のいわゆる「2年縛り」の契約形態を是正することを明らかにしました。ドコモは3月から、「更新月(契約満了から自動更新までの違約金が発生しない期間)」を現在の1ヶ月間から2ヶ月間に延長するとし、auは5月から、ソフトバンクは「3月以降できるだけ早く実施する」としています。
2年縛りにおいてはトラブルも多く、各社とも裁判にまで発展したケースがあるほど。総務省や消費者団体は各社の契約形態に問題があるとし、改善すべき点として次のような項目を挙げています。例えば「更新月の通知が明瞭でない」「乗り換え期間(1カ月)が短い」「契約期間の24カ月のうちいつ解約しても違約金の額は同じ」「更新月後は自動的に2年契約が更新される」など。今回の延長策によって各社は、解約時のトラブルを減らしたい考えとしています。
こうした指摘から、総務省は過去に有識者会議を開き2年縛りを見直すための検討を重ねてきました。昨年7月には方針をまとめ、大手3社に是正策を要請。これを受け同3社は、利用者に2年契約が終了することを知らせるメールを送るなどの施策で、これまで対応を進めてきました。
また総務省は今月20日、大手3社の担当者を招いた非公開の会合で、これまでの取り組み状況を聴取したと伝えられています。各社はそこで「更新月」の期間を1カ月から2カ月に延長するとの方針を示しましたが、総務省が求めてきた自動更新の廃止などについては特に言及していません。また2年縛りに代わる新たな契約形態については、各社とも「市場動向を踏まえて早期に検討する」とし、抜本的な改善は見合わせとなっているようです。
今回の施策は、総務省の要請を受けた是正策としては第一歩となりますが、違約金の低減などについては触れられていないため、今後はさらに消費者の視点に立った制度への転換が求められるとみられています。