アップルは27日(現地時間)、2015年第2四半期(1~3月期)の業績発表を行いました。
iPhone 6は爆発的なヒットを記録し、中国には熱狂的なアップルファンが増え、ティム・クックCEOはApple Watchに対する世界の反響に喜ぶ――。
しかしこれらは単にアップルの業績発表から得た「重要な事実」にしか過ぎません。ではここで、アップルが記録を打ち立て大成功を収めた第2四半期について、11の「重要なポイント」をみていきましょう。
常に成長を続けるアップルのビジネスは、衰えることを知りません。2015年第2四半期もまた、記録的な四半期収益を計上し、売上高は前年比27%増となる驚きの580億ドル(約6兆8900億円)でした。同売上高は、市場予測は上回ったものの、746億ドル(約8兆8800億円)という2014年10~12月期の記録的な売上高には及びませんでした。とは言え、十分に素晴らしい数字です。
同四半期のiPhoneの出荷台数は6100万台を超え、四半期としては過去2番目の出荷台数となりました。またiPhoneの売上高は、昨年12月期と同じく総売上高の69%を占めています。iPhone 6 / 6 Plusのユーザーが占める割合は全iPhoneユーザーのわずか2割であることから、クック氏は、今後も多くの人がiPhone 6 / 6 Plusへ移行する可能性があるとみています。
クック氏は、最近発表された以下の新製品や新サービスをみれば、アップルの思い描く未来のビジョンが垣間みえるといいます。
1. とにかく薄い、新型「MacBook」
2. アップルが独占的に配信(3カ月間)する動画ストリーミング・サービス「HBO Now」
3. 発売当初からすでにヒットの兆しをみせる「Apple Watch」
iPhone 6の売れ行きには目覚ましいものがありますが、その他ほとんどの主力製品の売上も増加しています。各データは次の通り。
・iPhone ― 6117万台(前年比40%増)
・Mac ― 456万台(前年比10%増)。新型MacBook Airが貢献。一方で、米調査会社のIDCによると、同四半期のPC市場は7%減となっています。
・App Store ― サービス事業の売上は今期、50億ドル(5900億円)を計上。このうちAppStoreの売上は、前年比100%増となる「史上最高記録の業績」を達成しています。
・iPhoneに乗り換える人の割合 ― 正確な数字は不明ですが、クック氏によると「ある一定のサイクルにおいて、iPhoneに乗り換える人の割合は以前よりも高くなっている」ということです。
中国での売上高は168億ドル(約1兆9900億円)と、史上最高記録を樹立しました。この数字は、アップルの総売上高の約3割に相当します。クック氏は、「中国のように、これほど多くの人が中流階級の仲間入りをするのをみたことはない。弊社の売上の大半は、その中国によるものだ」と話しました。
iPadの出荷台数は伸び悩み、前年同四半期の1635万台から、23%減の1262万台にまで減少しました。
クック氏によると、iPadは売上高、仕様、顧客満足度などにおいて、今なおナンバー1のタブレットだといいます。また長期的にみれば、iPadは「極めて重要」な製品であり、売上も今後戻るだろうとしています。しかし、その時期については予測したくないようです。
一方で、中国では売上において、四半期として新たな記録が樹立されたと伝えられています。
アップルは現在、現金および有価証券で、何と、1935億ドル(約23兆200億円)も有しています。同社はまた、2017年3月末までに、2000億ドル(約23兆7900億円)を株主に還元すると発表しました。
残念ながら、Apple Watchについてはこれといったニュースはありません。クック氏は、Apple Watchについて「現時点では、需要が供給を上回っている」とし、「状況の改善に取り組んでおり、事態は進展している」と話しています。
またクック氏によると、Apple Watchへの反響は、これまでのところ「圧倒的に良い」とのこと。Apple Watchでは、すでに約3500種類ものアプリを利用することができ、クック氏は、6月に開催される「世界開発者会議(WWDC)」に向けてさらに多くのアプリが開発されるのが待ち遠しいとしています。
さらに発売時のアプリの数は、Apple Watchの方がiPadよりも多かったと伝えられました。同社では今なお、Apple Watchで求められている各カスタマイズの機能を実現しようと取り組んでいます。クック氏は「ここまでたどり着くことができて本当に嬉しい」と述べています。
さらに「新製品とはどのようなものでも、軌道に乗るまでにある程度時間がかかるものだ」とし、「だがApple Watchについては、軌道に乗っていると考えられる。6月下旬には、第2次発売国でも販売できるようになっているだろう」と続けました。
クック氏によると、Apple Watchに対する消費者の反応はこれまで、ほぼ100%好意的なものだったといいます。
クック氏は、こうした状況について「ワクワクする」と表現し、「それ以外に適切な言葉が見当たらない」と付け加えました。
アップル株の27日(現地時間)の終値は、前日比約2%高、かつ、今年これまでに約22%高の132.65ドル(約15800円)でした。アップルの株価が175ドルまで値上がりした場合には、時価総額で世界初となる「トリリオンダラー(1兆ドル)・カンパニー」が誕生することになります。
急速に拡大を続けるアップルのモバイル決済システム「Apple Pay」。同システムを導入した企業や店は3倍にまで増加しています。また今秋から、米クレジットカード大手のディスカバーカードにも対応するほか、Best Buyも各店舗への導入を発表しました。さらに全米の主要な医療機関50件でも年内に、Apple Payの利用が可能になるとしています。
クック氏は、「アップルのエコシステムは今後も、こんな風にワクワクする形で拡大し続けることだろう」と述べています。
残念ながら、Apple Payが使えるのは、今のところ米国のみです。
これまで1000人もの医療研究者らがアップルにコンタクトを取り、「ResearchKit(医学・医療研究用のアプリ開発向けプラットフォーム)」を使って研究に着手しようとしています。これについてクック氏は、「研究者らから得られる反応は、非常に素晴らしいものだ」と話しています。
■ via - Cult of Mac