アップルによるメディア・イベント「Spring Forward」が9日(現地時間)開催されました。多数の報道陣が詰めかけた同イベントでは、参加者らが実際に製品を手に取って試す機会もあり、Retinaディスプレイを搭載した12インチの新型MacBookにも大きな注目が集まりました。
イベント後には、この新型MacBookの「第一印象」が続々とウェブサイトに上げられています。こうした印象の主なものには、厚さ13.1ミリの薄型デザインや高性能のトラックパッド、Core Mプロセッサ、ファンレス設計で静かな駆動、フルサイズのキーボード、USB-Cのシングルポートなどが挙げられています。
こうしたなか米MacRumorsが、インターネットに掲載された興味深い「第一印象」を集め、レビューとしてまとめています。今後、新型MacBookに何を期待するのか、早速みてみましょう。
米ITメディアのTechnoBuffaloは、新型MacBookのハンズオン動画を公開しています。動画では、フルサイズのキーボードやForce Touch(感圧タッチ)トラックパッド、新たなUSB-Cポートなど、同デバイスが持つさまざまな機能が紹介されています。また新型MacBookがどれだけ薄いのかも動画からはっきりと見て取れます。
テクノロジーブログの米Engadgetでは、ダナ・ウォルマン氏が、この重さ2ポンド(約920グラム)の新型MacBookについて「MacBook Airでさえも重くて古いモデルに感じてしまう」と評しています。また当初、キー同士の間隔が狭く指の移動距離が少ないという新たなキーボードに疑念を抱いていた同氏ですが、タイピングをしたところ、キーに「弾力性があった」と伝えています。
ダナ・ウォルマン氏は、次のように感想を述べています。
「キーが本当に薄く慣れるのに時間が必要ですが、弾力性があるので押した感覚は十分にあります。キーを叩くと跳ね返ってくる感じです。これだと丁寧にタイプできますし、ほとんどの場合タイピングも正確です。使ううちに慣れてもくるでしょう。これが別のデバイスなら、きちんと打てているのかどうかが分からずに、無意識にキーを連打してしまうかもしれません。触ってみる前はそうなることを覚悟していましたが、実際には指を大きく動かす必要もなく、手にも負担がかからないことが瞬時に分かりました。とは言え、まだまだ改善の余地はあると思います」
米ニュースサイトのThe Vergeのディーター・ボーン氏は、新型MacBookについて、「あり得ないほど薄くて軽い」と述べています。特に感動したのは、解像度2304×1440で「常識を超えた薄さ」のディスプレイとのこと。一方でForce Touchトラックパッドについては正確だとしながらも、クリックの強弱を感知するForce Click(強めのクリック)機能は、「直観的とはほど遠い」とし、慣れるには時間がかかると伝えています。
ボーン氏は、「この『クリックして強く押し込む』という動作は、指で空手チョップ(手刀打ち)をし、トラックパッドの裏にいるターゲットを倒そうとしているかのように見えます。ぜひ、試してみて下さい。次のクリックが起きるのをかすかに感じるでしょう。これこそがまさにForce Clickなのです!アップルがマウスにボタンは1つで十分としているのは有名な話ですが、それ故に、トラックパッドにこうした機能を搭載したことが奇妙に思えます」と語っています。
ガジェット情報を伝える米Gizmodoのショーン・ホリスター氏もまた、「軽い。まるで何も持っていないかのよう」と書き、新型MacBookの軽さに感動を覚えています。しかし話題はキーボードに移り、薄すぎるキーについて「これさえなければ完璧なのに」と話しています。スクリーンと新たなForce Touchトラックパッドは気に入ったようで、特にスクリーンについては「とてもきれい」と述べています。
ホリスター氏のレビューは、次の通りです。
「Force Touchトラックパッドに関しては、説明を聞いている間は少し疑わしく思っていましたが、実際に触ってみるととても良いですね。非常に気に入りました。簡単だからというわけではなく、スマートだからです。特に誰かのアドレスを見付けたいときや、カレンダーにイベントを追加したいときなど、もう文字のコピー&ペーストに煩わしさを感じることもありません。Mac OSは今や、トラックパッドを押し込んだと同時に、こうした作業を瞬時にしてしまうほど優秀です」
「ただ強く押し込むだけで、トラックパッドが強さの違いを認識し、ウェブ上やあるいはテキスト文書などの文字に対して必要な作業を行ってくれます。これだけで作業は終了です」
テクノロジー・ニュースを伝える米SlashGearでは、クリス・バーンズ氏が、ディスプレイやUSB-Cポートに着目しています。ディスプレイについては「素晴らしい」と評した上で、視野角が広く、画像も鮮明だと説明しており、またUSB-Cポートにおいては、充電やUSBデバイスとの接続など、1つのポートであらゆる機能に対応することで、シングルポートを実現したと伝えています。
一方でFaceTimeカメラについてはわずか480ピクセルだと説明し、アップルの他のノートブックと比較して画質が低いことを挙げています。
テクノロジー・ニュースを発信する米WIREDのデヴィッド・ピアース氏は、新型MacBookを「(薄さに対して)驚くほど丈夫」とし、スクリーンについては「美しい」と述べています。
ピアース氏の印象は、次のようなものでした。
「新型MacBookは『美しい』の一言に尽きます。左側面にUSB-Cポートが1つあるだけで、右側面のヘッドフォンジャックを除けば、もはやポート類は見当たりません。色は従来のシルバーに、ゴールドとスペースグレイが加わりました。私が気に入ったのはスペースグレイですが、ゴールドも落ち着いたカラーでとてもきれいです。スペースグレイも滑らかで落ち着きがあり、スリムな本体にとてもよく映えます」
他の人たちと同様、ピアース氏もキーボードには取り立てて感動はなかったようです。「瞬時に好きじゃないと感じた」とさえ話しています。またCore Mプロセッサについてはパワー不足としており、ゲームなど使い途によっては性能に不満があると述べています。
さて待望の新型MacBookの発売は、4月10日と発表されました。価格は、256 GBフラッシュストレージのモデルに、1.1 GhzデュアルコアCore Mプロセッサと、8 GBメモリーを搭載した場合、14万8800円。一方メモリー容量はそのままに、フラッシュストレージを512 GBにアップグレードし、プロセッサを1.2 GhzデュアルコアCore Mにアップグレードした場合は、18万4800円となります。