アップルiBooks Storeの責任者キース・モーロ―氏は15日(現地時間)、電子書籍の出版、戦略などについて意見を交わす「Digital Book World Conference + Expo 2015」に登壇し、iBooksを中心としたアップルの電子出版ビジネスについて、現状や展望を語りました。
モーロ―氏によれば、昨年9月リリースのiOS 8にiBooksアプリを標準搭載して以降、iBooksの利用者は1週間に約100万人の割合で増えているといいます。同時にファミリー共有の機能を追加したことも、新規ユーザーの獲得に一役買ったとしています。というのもファミリー共有では、iBooks StoreやiTunes Storeで購入したコンテンツを、1家族最大6人まで共有できるからです。
またiBooksの今後については、iTunesのコンテンツと組み合わせて販売することで、iBooksの販売促進や成長の可能性が期待できるとしています。アイデアの1つとして、映画やテレビのプロデューサーが無料のプロモーション・コンテンツを制作するといった例を挙げ、アップルがこれまで積極的に言及してこなかったiBooks Author(電子書籍の作成・編集アプリ)の新たな使い方にも触れました。
一方でiBooksの成長性を米国以外の国・地域別でみると、英国、ドイツ、フランスが最も有力とされるなか、現状では日本の市場が最も急成長を遂げています。南米では緩やかな成長を示していますが、最近ではスペイン語の出版物が、同社米事業の売上で重要な位置を占めているようです。またカナダ市場も好況で、特にフランス語の出版物が成功を収めているとしています。
さらにモーロ―氏は、成長性の高いカテゴリーに自費出版の書籍を挙げ、「iBooksで扱われているコンテンツはすべて内容的に優れたものです。販売協力金のようなものは受け取っていません」と話しています。
via - 9to5Mac