アップルについて知っておくべきことを一つ挙げるとすれば、それはアップルが「自分たちのデザインに誇りを持っている」ということでしょう。
アップルのインダストリアル・デザイン・グループ上級副社長を務めるジョナサン・アイブ氏は、1996年の入社以来、アップル製品のデザインを形作る上で大きな役割を果たしてきました。
初代iMacからiPhoneまで、アイブ氏は長年、デザインの美しさを追求する同社の取り組みに一役買ってきたのです。
同氏の発言は、単にデザイン・グループのチームに向けられているだけでなく、「アップル」とはどのような企業なのかを理解する手がかりを与えてくれているような気もします。
そこで、最も感動的で興味深い同氏の発言をメディアへの出演やWWDCの基調講演、リアンダー・カーニー氏の著書などから抜粋してみました。米国のBusiness Insiderが伝えています。
人と違うものを作るのはそれほど難しいことじゃない。問題は、人より良いものを作るのは難しいっていうことなんだ。
There is beauty when something works and it works intuitively.
何かがうまくいったとき、そしてそれが直観的なものだったとき、そこには「美」が存在している。
「良い(good)」と「素晴らしい(great)」は全くの別物。
われわれが生み出したものはいつか消えてなくなっても、われわれがやってきたことはこの先もずっと残るだろう。
デザインっていうのは見た目だけじゃない。一言でいえば、どんな場面でも何かしら機能するものだということ。もちろん最終的には、われわれがこれまで経験してきたことが、デザインというものについて語ってくれるのだが。
誰かのために製品を作るということは、その人たちを大切に思っているということを示す行動だ。われわれには、一市民としてそうする義務がある。それは重要なことであり、正しいことでもある。理由を説明するのは難しいのだが。
たくさんのアイデアを試して、何度も失敗を繰り返すことで、初めて何かを学ぶことができる。
われわれが開発しようとしているのは「何となく必然性を感じる製品」なのだが、なぜか「その製品だけがその必然性を叶えてくれる唯一のもの」であるかのような印象を与えてしまう。
何がどうなっているのか自分の理解の範囲を超えたとき、一種、魔法がかったような気分になるものだ。
失敗なくして成功はない。
自分のアイデアがどれだけ素晴らしいものなのか他人を説得するときに気が滅入ってしまうようでは、そのアイデアはたいしたものではないのだと証明しているようなものだ。
完全に配慮が足りなかった製品を目にすると、がっかりして惨めな気持ちになる。だが製品を見ると面白いことが分かる。その製品を生み出した会社やその会社の価値、さらにはその会社にとっての優先事項までもが見えてくるのだ。
特に飛行機の中で大半の乗客が、われわれが頭を抱えてやっと考え出した何らかのアップル製品を手にしているのを目にするとき、すべてが報われた気がするんだ。
いかがでしたか?