アップルは日本時間の３日未明、米サンフランシスコで開幕した開発者向けイベント「WWDC 2014」で、モバイル向けOS「iOS 8」とマック向けの「OS X Yosemite」を発表しました。
両OSとも、近秋まで一般公開されることはありませんが、アップルがイベントで紹介した新機能はとても興味深いものばかりです。ここで、最新OSのハイライトを少し見てみることにしましょう。米国のLos Angeles Timesが伝えています。
平面的なデザイン、明るくコントラストの強い色彩、半透明のメニュー表示といった、昨年iOS 7で導入されたデザイン要素がYosemiteにも数多く取り入れられ、OS Xの外観が一新しました。
自分のパソコンのフォルダに保存したあらゆる種類のファイルに、iPhoneやiPadあるいはWindowsのパソコンからでもアクセスできるようになります。Dropboxのクラウド版に非常によく似た機能です。
Yosemiteでは、iPhoneにかかってきた電話にMacで応答したり、Macから電話をかけたりすることができます。さらにMacユーザーは、アップルのデバイスを持っていない友人にテキストメッセージを送ることも可能です。新しい「Handoff」機能では、Macで行っていた作業を、近い位置にあるiPhoneやiPadにそのまま移行して行うことが可能になります。
Yosemiteでは、デスクトップ検索機能のSpotlightの検索窓が中央に配置され、検索機能が強化されました。コンピュータのフォルダに保存されたファイルだけでなく、検索エンジンやWikipediaから得た検索結果も表示されるようになります。検索結果にはそれぞれ大きなプレビューが付き、ユーザーはファイルを開く前に内容を確認できるようになっています。
通知センターに表示される「Today」の機能を使うと、その日のスケジュールをすばやくチェックしたりウィジェットの情報を見たりできます。また、例えばESPNから得た試合のスコア情報を追加したり、といったことも可能です。この「Today」機能は、昨年iPhoneとiPadで初めて導入された機能です。
さまざまなモバイルアプリから得た、健康やフィットネスに関するデータを1つのダッシュボードに簡単に整理できる新しい健康管理アプリです。
iOS 8では、タッチスクリーンのキーボードがアップデートされました。入力を開始すると、単語を予測して3つの候補語が表示されます。さらに、サードパーティが開発したキーボードをインストールすることも可能です。後者は、ユーザーが何年も待ち望んでいた機能です。
iOS 8では、撮影された写真はユーザーのiCloudアカウントにアップロードされます。したがって、ユーザーはどのデバイスからでも自分の写真にアクセスできるようになります。また、写真アプリには編集ツールの追加や検索機能の強化が施され、写真が撮影された時期や場所、あるいはどのアルバムに保存されたか等に基づき検索を行うことが出来るようになります。
新しく導入された「Family Sharing」は、同じクレジットカードで購入したアプリやメディアコンテンツを最大6人のユーザーで共有できる機能です。写真アルバムやカレンダーなどを家族で共有することもできます。しかしこの機能でもっと重要なことは、保護者による子供への購入制限が可能になることです。たとえば、自分の子供がアップルのデバイスから何かを購入しようとした場合、保護者が購入に関する通知を承認するまでは、その購入は完了できなくなります。
iOS 8では、ユーザーはグループの会話からユーザーを追加または削除したり、特定の会話をミュートにしたり、あるいはグループのチャットを完全に残しておいたりすることが可能になります。また会話の中で他者と位置情報を共有したり、それぞれのチャットで共有した写真やビデオを簡単に見たり、さらには、テキストメッセージに音声やビデオで返信することもできます。
iOS 8では、ユーザーは何らかの通知を受け取った際、現在使用しているアプリから離れることなくその通知に返信することが可能になります。例えばフェイスブック通知への「いいね」やコメント、あるいはカレンダーアプリから届いたイベント招待の承諾といったことを、それらのアプリを開くことなく行うことが可能になります。