スウェーデンの自動車メーカーVolvo(ボルボ)は3日、自動車内のインフォテインメント(情報と娯楽の融合)システムであるアップルのCarPlayを利用する状況を実演し、今年デビューとされる最新のXC90 SUVと統合・搭載すると発表しました。さらにCarPlay向けWi-Fiサポートも視野にある模様。米国のApple Insiderが伝えます。
ボルボが発表したビデオは、アップルのiOSベースのCarPlayがどのようにしてボルボの車内ユーザーインターフェースと統合しているかを示しており、電話、音楽、地図、メッセージ、Now Playing、Podcast、Spotifyなど、全部で7つのアプリの実演も含まれていました。
ボルボのソリューションは、タッチスクリーンベースのインターフェースで、ユーザーは車内温度のような車内の環境をコントロールできます。またこのビデオによると、CarPlayはiOSユーザーに、運転の邪魔にならない環境を提供するとのことです。
アップルのCarPlayは、XC90に始まるボルボ社の新しいScalable Product Architectureを基にした、ボルボの新作モデルに搭載されます。
今のところCarPlayとの統合にはライトニングケーブルが必要となりますが、「近い将来には」Wi-Fiサポートも可能になる予定。接続はストリーミングH.264ビデオフィードを基にしており、ユーザーはタッチスクリーンを通じて入力をします。
ボルボ・カー・グループのCEO兼社長であるヘイカン・サミュエルソン氏は、「iPhoneユーザーであれば、新しいボルボに乗っても完全に落ち着いた気分でいられるだろう。私たちは大型のポートレート型のタッチスクリーンで、統合されたユーザー体験を作り出した。またSiriのような進化した音声コントロールシステムを用いて、運転上の安全性についても配慮した。アップル製品は、ボルボにとってパーフェクトなマッチングと言える」と述べました。
CarPlayがアップルによって公式発表されたのは3日のことでしたが、これは同社が昨年、iOS 7とともに披露した「iOS in the Car」としたものを改めて言い換えたもの。このシステムは、iOSのタッチと音声のコントロールを、自動車のインフォテインメントシステムと統合するものです。
ボルボは、アップルのCarPlayを車内搭載すると発表した自動車メーカーのうちでは、メルセデスベンツ、フェラーリと並んで先駆的存在の一つ。他にも、BMW、フォード、GM、ホンダ、現代、ジャガー、ランドローバー、起亜、三菱、日産、PSAプジョー、シトロエン、スバル、スズキ、トヨタも、CarPlayのサポートを発表しています。