アップルのiPhoneとiPadが日本のモバイルデバイス市場を席巻中です。国内の老舗メーカーすら凌駕されている模様。日本市場がアップルの成長を大きく牽引する構図が浮かび上がってきています。米国のApple Insiderが伝えます。
ウォールストリートジャーナルによると、アップルは日本で、スマートフォン市場の37%、タブレット市場で50%を推計で占めており、世界第3位の経済大国がアップルの成長を支えています。
※BCNランキングによると、iPhone 5s/5cの発売日である9月20日から30日までのシェアはiPhoneが78%、10月に入っても依然7割超えを保持。
日本におけるアップルの売上は、直近の会計年度で約30%の上昇。これはその他の地域や国より15%高い率です。他方、アップルにとって最も大切な市場としばしば言われる中国の売上は、同期比で13%の上昇でした。
日本でiPhoneの市場シェアが高い理由は、アップルのブランド力にあり、それはちょうどルイヴィトンやバーバリーと同等の位置付けにあると見られています。
BCNアナリストの森英二氏は、日本の顧客が新しい携帯電話を選ぶ際は、「スペックが重要なのではなく、iPhoneを所有すること自体が目的なのだ」との趣旨を述べました。
また隣国の韓国については、両国間で歴史的な問題が根強く横たわっており、日本の顧客は同国の製品を購入することに偏見をもつようで、この文化的な溝がアップルにとっては追い風になっています。グローバルに見れば、アップル最大のライバルであるサムスンですが、こと日本に限ってはアップルに一歩を譲っている状況です。
アップルの成功はまた、日本国内の電子機器大手ソニー、シャープ、パナソニック、NECの犠牲の上にあることも確かで、特にパナソニックとNECは大きな打撃を受けたため、スマホビジネスから全面撤退を余儀なくされました。かつては想像もできなかった事態が生じているようです。