NTTドコモの坪内和人副社長は、6月27日の米国ウォールストリートジャーナルのインタビューで、「iPhoneに奪われた顧客をいつ取り戻すのか?」との問いに対し、明言を避けながら「アップルのiPhoneはもはや"スマートフォンの神"ではない」と語っています。米国のApple Insiderのレポートです。
坪内氏はインタビューで、「当社が問う必要があるのは、iPhoneを導入していないことで今後何人の顧客が当社から離れていくかということだ。iPhoneに移行する顧客はこれからもいるだろう。ただ、iPhoneがスマートフォンの神のようにとらえられていた過去から、状況は変化している」と述べています。
顧客を他のキャリアに流出させたiPhoneを販売する考えには、同社は「反対していない」とし、iPhoneを販売すればNTTドコモのマーケティング努力を後押しするだろう、と述べています。
しかし同時に坪内氏は、他の携帯キャリアが非常に低いコストでiPhoneを販売していることは、それだけ高い販売経費がかかっていることを意味すると述べ、他社がiPhoneの販売に多くの代償を払っていることに問いを投げかけています。また、キャリアにソフトウエアをプリインストールさせるアップルの強い姿勢に、懸念を示しているようです。
「しかもiPhoneでは、NTTドコモがアンドロイド製品で提供しているサービスが機能しない。つまり、カスタマイズの余地がないので、諦めるより他にない」
NTTドコモがiPhoneを導入することは本当に必要なのかという問いに対しては、「顧客の中には『ドコモはいつからiPhoneを販売するのか?』と尋ねる人がおり、そのような問いを当社は考慮している」と述べながらも、「アンドロイド製品を改善することがアップル製品の必要性を軽減させる」と答えています。
「iPhoneを販売しなければNTTドコモは生き残れない、ということはない。iPhoneは当社にとってなくてはならないものとは考えていない。昨年から変化したことは、アンドロイド製品が競争力を高めてきたことだ」
NTTドコモは、iPhoneを導入しない一方で、ハイエンドの幅広いアンドロイド製品を提供してきました。この数週間は、サムスンとソニーの製品の販売戦略を強化し、ソニーは、NTTドコモの日本市場における支配性により、5月から6月半ばにかけての出荷台数でナンバー1の地位に押し上げられています。アップルは同時期、日本での出荷台数が落ち込んでいます。