アップルはかつての鋭いイノベーション能力を低下させている...。財務を専門とする投資家らを対象とした調査結果です。英国のThe Telegraphが伝えております。
ヘッジファンド各社は第1四半期、アップル株を大量に売却、同社株は昨年の高みから40%も下落しました。アップルは最近、マイクロソフトよりも高い利率の社債を発行済みです。
同調査の回答者のうち71%が、アップルがイノベーターとしての能力を失っていると回答。一時的な停滞との見方を示したのは43%でした。
しかしまだ信奉者がいなくなったわけではなく、うち23%は、アップルがいまだに世界のテクノロジーを牽引する最前線にいると見ています。
アップルの評価は米国以外の投資家らの間でふるわず、欧州の回答者74%およびアジアの回答者83%が、アップルはイノベーターとしての能力を失っていると見ています。しかし米国では63%が、同社の低迷を恒久的または一次的なものと見ています。
ニューヨークのSunrise Brokersの株資産部門長であるライオネル・メルル氏は、「アップルは間違いなく勢いを失った。しかしまだ取り返しのつく所にいる。まだまだブランドとしては強いものがある」と回答しました。
ティム・クックCEOは、iPod、iTunes、iPhone、iPadのようなイノベーションに加わる製品を、今秋まで発表しないと述べていますが、新製品なしの期間としては、少なくとも2000年以来、最長です。
とはいえアップルはいまだに、最も稼ぎの多いハイテク企業であり、昨年の収益は417億米ドル(約4兆1700億円)。iPhoneの売上は、世界のスマートフォンビジネス内で57%を占めています(Canaccord Genuity調べ)。
アップル製品の多くが現在、サムスンのGalaxyシリーズ、アマゾンのキンドルタブレット、Spotifyの音楽配信サービスなど、ライバルからの猛追を受けています。
スペインのバルセロナにあるFiatc Segurosの年金基金長及びポートフォリオマネージャーであるガラ・プラダ氏は、「アップルのイノベーションは、私に言わせれば、イノベーションとは言えない。同じことを繰り返しているだけだ。むしろサムスンのような企業の方が、すべての製品において、イノベーション能力という意味でトップを走っている。アップルは、相対的に見て、少し遅れを取っている」と述べました。