今週は廉価版iPhoneの噂で持ち切りでしたが、アップルのマーケティング担当上級副社長(SVP)であるフィル・シラー氏が、これを否定した模様です。米国の9to5Macが伝えます。
シラー氏が中国紙の新民晩報 (Shanghai Evening News)のインタビューで答えたと伝えられているのは、アップルが「市場シェアを奪う」ために安価なスマートフォンを開発つもりがないとの見解です。同紙によると、iPhone 5こそアップル最良のiPhoneであり、アップルは市場シェア獲得には関心がないと述べたそうです。
「我々(アップル)は他社とは違う。一度に複数の製品を出して、消費者の歓心を買うようなことはしない」と、シラー氏。同紙の翻訳版によると、「競合他社は新製品を多様な次元でローンチしているが、顧客は新製品を購入後、適切なソフトウェアも良好なユーザー体験も得られていない」と述べたようです。
シラー氏は繰り返し、「ユーザー体験」こそ、アップルというカリフォルニアのクパチーノに本拠を置く企業の最も重要な鍵だとし、市場に最良の製品を提供する際は、生産過程、Retinaスクリーン、アルミニウム合金など、最良のテクノロジーを使用することだけを考えている述べた模様です。
アップルが市場シェアを独占するために製品の価格を下げるという噂について訊かれて、シラー氏は、「中国市場では実に多くの人々が機能的なデバイスを使用しており、携帯電話に代わる安価なスマートフォンを売るメーカーもいる。しかしこれは、アップルの目指す開発路線ではない」と答えました。廉価版スマホは人気が出ているが、それはアップル製品の未来には存在しないとのこと。
Wall Street Journalは8日、アップルが2013年に廉価版iPhoneを手がけると伝えました。同紙は、アップルが「この件について懸案中」であり、数年にわたり研究を進めており、いよいよ開発に進むとしました。同紙は、廉価版iPhoneに関しての報道を、ここ数年繰り返しており、さらにBloombergさえも2011年、この情報に加担し、今週にいたっては、またしてもアップルが「小型で安価なiPhone」を、途上国でリリースし市場シェアを取ろうとしていると報じました。