アップルは29日(現地時間)、サムスン社のGalaxyネクサス販売差し止め仮処分の判決を勝ちとりました。これはGalaxy タブ10.1についての判決と同一。米国のApple Insiderが伝えております。
ロイターの記者ダン・レバイン氏は、「アップルが9600万米ドル近い保証金を納付すれば、サムスン製スマートフォンの米国内での販売を差し止めとする判決を、カリフォルニア州連邦地裁が下したことになる」とツイート。
アップルは2月、Googleとサムスンの旗艦ハンドセットに対して、音声アシスタント機能Siri及び統合された検索機能に関して訴訟を起こしたわけですが、ルーシー・コー裁判官はこれに関して、米国の特許法No. 8,086,604を引き合いに出しました。
「市場シェアの長期的な損失、売上減による損失で、取り返しのつかない被害をこうむったとするアップルの説明は納得がいくもの」と、コー裁判官。
アップルが2月に初めて、サムスンのGalaxy ネクサスに対して販売差し止め処分を求めた際の根拠は、以下4つの米国特許法です。
米国特許法No. 5,946,647
「米国際貿易委員会(ITC)関連でHTC相手のアップルの訴訟で、コンピューターによって生成されたデータにおける構造上のアクションを遂行するためのシステム及び方法の正当性を認証」
米国特許法No. 8,074,172
「語句の予測や推奨をするための方法、システム及びグラフィカルユーザーインターフェースの正当性を認証」
米国特許法No. 8,046,721
「ジェスチャーによるデバイスのアンロックを記載するシステム、また、iOS デバイス上でのスライドによるアンロック機能を記述するシステムの正当性の認証。ドイツのモトローラ社に対する訴訟」
米国特許法No. 8,086,604
「コンピューターシステム内の情報検索のためのユニバーサルインターフェースの正当性の認証。29日の判決の根拠」
Galaxy ネクサスはGoogleの旗艦アンドロイドモデル。Googleと世界最大のアンドロイド系スマホメーカーであるサムスンが手を組んだ製品です。Galaxyネクサスはすでに、Galaxy SⅢなど、より進歩した機種に追い越されていますが、今でもGoogleのアンドロイドエコシステムの大切な一翼を担っています。検索エンジン大手がハードウェアメーカー大手と協力して作られた製品ファミリーの一部です。ネクサス路線は最近、Asus製のネクサス7やネクサスQメディアストリーマーとともに拡充されました。
今回の販売差し止め仮処分は、万が一この処置が不当であると分かった場合を補填するための保証金をアップルが支払えば、発効することになっています。
アップルの報道官であるクリスティン・フゲット氏は、サムスンによるiPhone及びiPadの「見かけや触り心地」のコピー(模倣)について、同社のこれまでのスタンスを繰り返しました。一方、サムスン側の声明はありませんでした。