アンドロイドのIce Cream SandwichとアップルのiOS 5.1、スマートフォン戦争のツートップですが、果たしてどちらが人々の心をつかむのでしょうか。この両社の最新OS(オペレーティングシステム)について、米国のInternational Business Timesが伝えています。
Ice Cream Sandwichとして知られるアンドロイド4.0は、昨年2011年10月にリリースされました。しかし同OSは現状、未だ多くのデバイスに搭載されているわけではありません。一方のアップルは今年2012年3月7日にiOS 5.1をリリース、両者の熾烈な競争の始まりです。
それでは、この2つのOSを簡単に比較してみましょう。
■コンテンツをクラウドにバックアップIce Cream SandwichもiOS 5.1も、あなたのデバイスのコンテンツをクラウドに保存することができます。Googleはこれについて、以前から提供してきました。アップルの方こそ、iCloudで追いついた形でした。両サービスともよく似ていますが、iCloudはiOS 5.1のおかげで、アンドロイド4.0よりも統合された印象を与えます。Ice Cream Sandwichは、アンドロイドのクラウドサービスを最大限活用するには、Googleミュージック、Googleドックス、Googleプラスのような複数のアプリに依存しているという状況があります。他方、iOS 5.1が頼るのはiCloudのみ。これでユーザーが求めることは全てできます。
■顔認識顔認識については、アップルiOS 5.1は後手でした。Googleはすでに、アップルの新OSを遥かに超えた所にいます。iOS 5.1で写真を撮ると、顔部分がハイライトされるようになっていますが、アンドロイドはさらに先を行っています。Ice Cream Sandwichの顔認識は、セキュリティー機能の一部であり、これはデバイスの解除(アンロック)でユーザーの顔が検出されることを意味します。スゴイですね。
■ウェブ閲覧やはりスマートフォンのアプリの一番は、ウェブ閲覧でしょう。もしスマホで快適なウェブ閲覧ができなければ(例えばシンビアンのスマホのように)、それは真のスマホとは言えないでしょう。iOS 5.1のサファリに大きな改善は見られませんが、より高速になりHTML5のコンテンツとも上手く折り合っています。一方のアンドロイドのブラウザ(Opera MiniとOpera Mobileを越えて、世界一のモバイル用ブラウザになりました)は、より多くの優れた特徴を備えています。
ユーザーは、ウェブページを全部保存することができます。また、 ちょっとくつろぎたい時に匿名でこっそりウェブ閲覧することもできます。Chromeのブックマークとの同期も可能です。アンドロイドのユーザーにはGoogleのChromeを使っている人が多いので、これはポイント高いですね。
■音声アシスタントソフトウェアSiriにおいて、アップルはアンドロイドを凌駕しました。アンドロイド4.0のアンドロイドボイスアクションは、その楽しさと全体的な使いやすさという点で、やはりSiriにはかないません。Siriは日本語対応を始めますが、アンドロイドボイスアクションには英語対応しかありません。しかしSiriは今のところ、iPhone 4Sでしか使用できません。
■全体的な使いやすさでは、どちらが使いやすいのか。なかなか悩ましいところですが、iOS 5.1の方がIce Cream Sandwichに比べて使いやすいと感じる人が多いのではないでしょうか。平均的なスマホとタブレットのユーザーにとって、iOS 5.1のグリッド状のアイコンはとても分かりやすいですが、Ice Cream Sandwichについて同じ印象を持つことはありません。やはりGoogleは、あまりハイテクに詳しくない人にとってのOSユーザーインターフェースの設計に関して、まだ沢山のことを学ぶ必要があるでしょう。近い将来、アンドロイドの見ばえや雰囲気が変わることを期待したいところです。
ところでウィンドウズフォン7ですが、これはまだ出来立てのほやほや。しかしアンドロイドよりは簡単だし、一部の機能はiOS 5.1よりもシンプルですね。
■どっちの方がいいか?やはり答えるのが難しい問いです。Ice Cream SandwichもiOS 5.1も、双方、いい所とわるい所があります。しかし最も大切なことは、使いやすさ(ease of use)です。多くの機能や特徴をOSに盛り込むのも結構ですが、全体としての使い勝手が複雑になってしまっては元も子もありません。アンドロイドが捨て切れなかったもの、それは複雑さです。
好むと好まざるとにかかわらず、モバイルデバイス用OSとしては、iOS 5.1の方が一枚上であるという結論になります。これが、米国のInternational Business Timesの見解です。