China Timesのレポートによれば、iPhone 5S向けの多数の部品を供給するサプライヤーとして、台湾のチップメーカーChipbondが選ばれたとのことです。この部品には、タッチ式のディスプレイドライバーだけでなく、指紋認証センサーや近距離無線通信(NFC)に対応するチップも含まれているようです。米国のMacRumorsが伝えています。
China Timesのレポートでは、アップルがモバイル決済などで使われるNFC機能のセキュリティを強化するために、指紋認証センサー機能を利用するのではないかと報じています。
iPhone向けの指紋認証技術に関する噂は、昨年アップルがモバイル関連のセキュリティ会社AuthenTecを買収して以来、徐々に増えてきています。AuthenTecと言えば、今年に入ってから従来の指紋センサーの顧客を切ろうとしていると噂されていますが、おそらくこの分野に注力するアップルをサポートするためだろうと目されています。KGI証券の信頼できるアナリストであるミンチー・クオ氏も、指紋認証センサーは、iPhone 5Sが他社と一線を画する機能の1つになると断言してきました。
長らく噂されてきたiPhoneのNFC機能は、結局iPhone 5で採用することはできませんでした。iPhone 5のあの設計では、そもそもNFC用のアンテナを搭載できなかったとされています。しかしながら、人によってはアップルならiPhone 5の金属ケースにNFCを収めるような新しい設計案を立てることもできたはずだとしています。おそらくこの案は、iPhone 5Sまで持ち越されることになるでしょう。現在のところ、iPhone 5S向けのNFC機能についての具体的な情報は、まったく聞こえてきません。
去年の7月、アップルがモバイル決済の分野に重心を移しつつあると報告されたことがありました。この分野は、NFC技術と密接に関連しています。現在のところ、アップルはデジタル財布、クーポン、各種の会員カードを管理する用途に自社のアプリPassbookで対応しています。とは言え、モバイル決済やNFCを加えればこの機能を拡張できることは明白です。
報告によれば、既にFoxconnは、iPhone 5S向けの製造ラインの準備が整ったと言われています。この製造には、現在iPhone 5に使われているものと同じラインが使われるとのことです。