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NTTドコモは6月1日、スマホ向けの料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」の新規受付を終了し、新料金プランの「ギガホ」と「ギガライト」の提供を開始しました。
⇒ ドコモ、料金プランを刷新 最大4割値下げ「ギガホ」と「ギガライト」発表
ギガライトは使ったデータ容量に応じて4段階の定額料金が適用される従量制プランで、月の上限容量は7GBです。一方、ギガホは月に30GBを高速通信で利用でき、30GBを超過しても1Mbpsの速度が維持されます。
旧プランの容量超過後の速度は128Kbpsです。経験がある方も多いと思いますが、この速度に制限されると、ネットを介した行動はほぼ何もできなくなります。それを考えると、容量超過後の速度が1Mbpsも出るのは、「飛躍的改善」と言っても過言ではないと思います。
さて、この1Mbpsという速度で、実際にどんなことができて、どんなことができないのでしょうか。色々と検証してみました。
= この記事の目次 =
1Mbpsの環境下で色々と検証するには、当然ですが初めに30GBを使い切らなくてはいけません。これが結構大変で、高画質のYouTube動画をいくつも再生して、30GBに到達するのを待ちました。ただ単に30GBを使い切るのももったいないので、再生した一部の動画の消費容量も記録しておいたので、参考にしてください。
なお、表中の消費容量は、iPhoneの【設定】>【モバイル通信】>【YouTube】の項目の数値です。
動画タイトル |
画質 |
再生時間 |
消費容量 |
---|---|---|---|
1080p |
1時間49分22秒 |
913MB |
|
1080p |
1時間47分13秒 |
628MB |
|
1080p |
1時間31分22秒 |
639MB |
|
1080p |
2時間16分21秒 |
749MB |
|
1080p |
1時間53分59秒 |
2.6GB |
|
720p |
1時間53分59秒 |
771MB |
|
1080p |
1時間31分32秒 |
1.4GB |
|
1080p |
1時間2分6秒 |
413MB |
|
720p |
55分6秒 |
156MB |
|
1080p |
47分19秒 |
384MB |
最も消費容量が大きかったのはサッカーの試合の動画でした。やはり、常に人が動き回っているような動画は容量も大きくなるのでしょうか。
30GBを使い切ったところで、まずは速度テストアプリを使って、8時から24時までの速度を計測しました。
計測日:2019年6月6日(木)
計測場所:愛知県名古屋市中区栄周辺
使用端末:iPhone X(ドコモ版SIMロック解除)
時刻 |
下り |
上り |
PING |
---|---|---|---|
8時12分 |
1.03 |
1.21 |
39 |
9時00分 |
1.05 |
1.27 |
31 |
10時01分 |
1.01 |
1.21 |
39 |
11時00分 |
1.08 |
1.22 |
38 |
12時20分 |
0.96 |
1.16 |
39 |
13時00分 |
0.98 |
1.24 |
38 |
14時00分 |
1.06 |
1.17 |
39 |
15時00分 |
0.97 |
1.26 |
35 |
16時00分 |
0.99 |
1.26 |
39 |
17時00分 |
1.05 |
1.15 |
52 |
18時00分 |
1.07 |
1.04 |
59 |
19時00分 |
1.02 |
1.14 |
77 |
20時00分 |
1.06 |
0.95 |
82 |
21時01分 |
0.96 |
1.15 |
39 |
22時00分 |
0.97 |
1.19 |
98 |
23時00分 |
1.04 |
0.90 |
72 |
24時00分 |
1.02 |
1.13 |
93 |
ドコモの案内通り、30GB超過後の速度は全時間帯で1Mbpsでした。
App Storeでのアプリのダウンロード速度を計測してみました。
ダウンロードしたアプリ:Weblio英語辞書
アプリのサイズ:34.4MB
時刻 |
転送時間 |
転送速度 |
---|---|---|
8時 |
2分32秒 |
1.81 |
12時30分 |
2分33秒 |
1.8 |
18時 |
2分32秒 |
1.81 |
22時 |
2分33秒 |
1.8 |
App Storeでのアプリのダウンロード速度は、1Mbpsを大きく上回りました。計算上は1Mbpsで34.4MBをダウンロードするには4分35秒かかります。
ウェブサイトの表示速度はサイトにより大きく異なるので、一概に評価を下すのは難しいですが、軽いサイトは問題なし、中程度のサイトは許容範囲、重いサイトはかなりのもたつきを感じる、といった印象です。
今回、iPhoneの画面収録を使って、軽いサイトから重いサイトまで、主要11サイトが表示されるまでの様子を録画したので、実際に動画を見て確認してみてください。
サイト名 |
URL |
画面収録 |
---|---|---|
Wikipedia |
||
Google検索 |
||
Googleニュース |
||
教えて!goo |
||
Yahoo! JAPAN |
||
アマゾン |
||
TeachMe iPhone |
||
Apple |
||
ソフトバンク |
||
日経電子版 |
||
価格.com |
ギガホの低速環境下で様々なYouTube動画を視聴してみましたが、720pでも止まらずに見られる動画がたくさんあったのは驚きでした。
下の動画はスカパーがやっているチャンネルの公式YouTube動画です。720pの画質で視聴したところ、まだ余裕がありました。
とはいえ、720pでも問題なく視聴できる動画がある一方で、480pで止まる動画もあります。例えばこの動画(デイリー コパアメリカ|DAZN特別コンテンツ)。
360pならどんな動画でも止まらずに視聴できると思います。
各動画配信サービスが公式サイトで案内している推奨速度は以下の通りです。
●Hulu
・パソコン:下り速度6Mbps以上
・スマホ/タブレット:下り速度3Mbps以上
●NETFLIX
・最低:0.5Mbps
・推奨:4Mbps
・SD画質:3Mbps
・HD画質:5Mbps
●DAZN
・標準(720p):5Mbps
・HD(1080p):9Mbps
●U-NEXT
・標準画質:1.5Mbps
・高画質:3Mbps
■メッセージ(トーク)
トーク画面におけるメッセージのやり取りは、高速通信時とまったく同じです。テキストやスタンプはもとより、アニメーションスタンプの送受信もスムーズに行えます。ただ、画像などの添付ファイルを送受信するときは、当然、ファイルの容量に比例して時間がかかります。
■無料通話
無料通話も高速通信時と変わりません。LINEやスカイプの音声通話は、格安SIMの低速モード(0.2Mbps)でも十分にできるので、1Mbpsもあれば全く問題ありません。
■ビデオ通話
ギガホの低速通信でもビデオ通話は可能です。映像は綺麗に映りますし、Wi-Fiに接続してビデオ通話をするのとほとんど変わりませんでした。通話中の音声については、たまに途切れることがあったものの、許容範囲だと感じました。
2台のパソコンを並べ、一方をギガホ低速通信のiPhoneとUSBテザリングで接続し、もう一方をWiFiに接続して、ギガホ低速通信のパソコン画面をスカイプの画面共有を使って共有してみました。大方問題なく共有できたものの、カーソルを左右に速く動かしたり、ウェブサイトを速くスクロールしたりすると、その動きについていけずカクカクした表示になりました。
画面共有中の音声については、ギガホ低速通信の方で音声が途切れることが何回かありました。
■地図の表示
マップアプリは一度表示した地域や場所の地図データをキャッシュする(iPhoneに地図データを保存する)ため、キャッシュが残っている場所の地図はすぐに表示されます。一方、キャッシュがない場所の地図は、表示する地図によって要する時間は大きく異なります。すぐに表示されるものもあるし、数十秒かかることもあります。
■Flyover
画像の表示にかなりの時間がかかるため、Flyoverで都市や名所を見るには無理があります。
■経路案内
経路案内は問題ありません。車で走っていても、現在地の地図の表示が遅れることはありませんし、音声ナビも通常通りです。
■Googleマップ
地図の表示速度は、Googleマップのほうが速いです。もし、当該地域の地図を初めて表示するなら(例えば初めて訪れる外国など)、Googleマップを使う方がいいかもしれません。
ストリートビューに関しては、画像がぼけた状態から順を追って鮮明画像に変わっていくという感じなので、高速通信時とは明らかな差が生じます。ただ、ちょっとの我慢が必要なだけで、許容範囲だと思います。
全く問題ありません。ただ、アップルミュージックの設定で「高品質ストリーミング」をオンにすると、最初に再生する曲がワンテンポ遅れて始まることがあります。しかし、完全に許容範囲なので、気にならないと思います。