iPhone 7 / 7 Plus:新機能とスペック詳細、両モデルの相違点
9日16時1分から予約注文が始まるiPhone 7と7 Plusについて、新機能とスペック詳細、両モデルの相違点などをまとめてみました。
デザインとサイズ - 耐久性が大幅に向上
前モデル、前々モデルと比べて外見のデザインにほとんど変化が見られないことは、誰も大声ではいわないもののやはり残念なところです。ラディカルなデザインを持つ最新のGalaxy S7 EdgeやGalaxy Note 7と比べても、いささか時代遅れな印象がぬぐえません。しかし大きな変更が施された部分もあります。その1つがイヤホン端子の廃止です。
● イヤホン端子の廃止
イヤホン端子が廃止になり、Lightningポートに集約されました。3.5mm端子用のアダプタは同梱されますが、充電しながらイヤホンを挿して音楽を聴くことはできなくなります。この点についてはユーザーの評価が分かれるところでしょう。
● 防塵・防水
その一方、両モデルともこれまでのiPhoneで最も高い耐久性を獲得しました。IP67の防塵・防水耐性(水深1mの水中に30分浸漬しても影響を受けない)を初めて装備。昨年発売のiPhone 6s、6s Plusから採用された非常に強度の高い7000シリーズのアルミニウムも、ケースの素材に引き続き採用されています。
● 感圧タッチ式ホームボタン
さらに、ホームボタンが物理的なボタンから感圧タッチ式ボタンに変更されたことも、耐久性の向上に大きく貢献しています。アプリ開発者は、触覚フィードバックを与えてクリックを再現するこの新しいボタンを活用して、バイブレーションをカスタマイズすることが可能です。
● アンテナ線の一部消滅
背面のアンテナ線は、上端と下端を残して消えました。目ざとい人は、iPhone 7、7 Plusともに寸法は前モデルと同じであるのに重さは5g(143g→138g)および4g(192g→188g)軽くなっていることに気づくかもしれません。iPhone 6(129g)や6 Plus(172g)と比べると重いのですが。
● デュアルスピーカー
両モデルともに、iPhoneで初めてデュアルスピーカーが搭載されました。外部オーディオの性能向上は、長年待ち望まれていました。
● カラー
カラーは従来のローズゴールド、ゴールド、シルバーに加え、新たにブラックとジェットブラック(128GB、256GBモデルのみ)が登場。スペースグレイは廃止されました。
ディスプレイ - 並のアップグレード
ディスプレイに関しては、今年は目を見張るニュースはありませんでした。解像度(iPhone 7:1334×750、7 Plus:1920×1080)は2Kディスプレイ(2,560×1,440)を搭載したAndroidのフラッグシップ製品に後れをとっています。
アップルは、明るさが25%増した「映画レベル」のRetina HDディスプレイの改良を強調していました。しかし、iPad Proに採用されたTrue Toneディスプレイの採用には至らなかったようです。
パフォーマンス - 速度がさらに大幅向上
いくつかの調査によると、iPhone 6sと6s Plusは、発売から1年たった現在も処理速度が最も速い製品だそうです。しかしアップルは立ちどまりません。
iPhone 7と7 Plusは、ともにアップル製A10 Fusionチップ、クアッドコアCPU、2GBのRAMを搭載。iPhoneにクアッドコアプロセッサが搭載されるのは初のことで、大いに注目すべき点です。アップルによれば、iPhone 6s、6s PlusとくらべてCPU速度は40%、グラフィックパフォーマンスは最大で50%高速化しているとのこと。
iPhone 7 Plusに予想された3GMのRAMが搭載されなかったことに不満を覚える人がいるかもしれませんが、両モデルとも、2017年発売のAndroidのフラッグシップですら苦心するであろう性能を実現しています。
カメラ - 両モデルの最大の相違点
スマートフォンのカメラに関しては、近年サムスンがアップルから王座の地位を奪っていることは否めません。しかしiPhone 7と7 Plusは、その地位を奪い返すことが可能です。
まず、iPhone 7は開口部がf/1.8になったことが大きな改良点です。光をより多く取り込むことが可能になり、暗い場所での撮影がいっそう容易になります。この他、6枚構成のレンズ、(待望の)光学式手ぶれ補正機能、忠実な色再現を可能にする広色域キャプチャ、撮影した画像を最適化するアップル独自の画像処理プロセッサなどが新たに搭載されました。
一方のiPhone 7 Plusは、iPhone 7と同じ広角レンズと、2倍光学ズームと深い被写界深度(ポートレート撮影に最適)を持つ望遠レンズの、2つのレンズを搭載(デュアルカメラ)。さらに、フラッシュには明るさが50%向上したクアッドLED True Toneを採用。寒色と暖色の光を利用してよりナチュラルな写真が撮れます。
フロントカメラは両モデルとも7メガピクセルの写真、1080pのHDビデオの撮影が可能。開口部はf/2.2で、前モデルから変わらず。
容量 - 16GB・64GBモデル廃止、256GBの新設
iPhone 7、7 Plusともに16GBモデルが廃止され、32GB、128GB、256GBの3モデルになりました。iPhone 7の登場により、大幅に値下げしたiPhone 6sもまた、16GBと64GBが廃止になり、32GBと128GBの2モデルに変更となりました。
バッテリー寿命と充電機能 - 最小限の改良
アップルは両モデルの厳密なバッテリー容量を明らかにしませんでしたが、iPhone 7は6sと比べて2時間、7 Plusは6s Plusと比べて1時間、それぞれ駆動時間が増えると見込まれています。
イヤホン端子の廃止で内部スペースに空きができることからバッテリー寿命はもう少し延びると期待されていましたが、ふたを開けてみると、最新のサムスン製品の性能には及ばなかったようです。
充電については、アップルはまだ高速充電や無線充電の機能を導入していません。競合製品がすでに導入している(充電時間は半分以下に)ことを考えると首をかしげたくなりますが、無線充電については今年中にも発表し、iPhone 7と7 Plusの両モデルで音楽を聴きながら充電ができるようになることを期待したいものです。
日本仕様 - Apple Payと乗換案内
日本向けのiPhone 7 / 7 PlusのみFelicaに対応します。今後は、駅の改札やコンビニでiPhoneをかざすだけで決済できるようになります。アップルはFelicaの導入に際しJR東日本と蜜月関係を築いたようで、iOS 9からマップアプリに導入されたTransit(乗り換え案内)も利用可能になります。
via - Apple , Forbes