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iPhone 6、画面サイズ大型化の"なぜ"

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iPhone 5sの発表から3ヶ月が経過。アップルファンの興味はすでにiPhone 6に向けられつつあります。伝えられるところによると、iPhone 6のスクリーンサイズは大型化するともっぱら噂されていますが、なぜ、アップルはiPhoneの大型化を目論んでいるのでしょうか。Wall Street Journal系の財経情報サイトMarket Watchがその答えを探っています。

アップルは来年、大型スクリーンのiPhoneを発表するとの観測があります。昨今のモバイル市場のトレンドを考えれば、当然の動きだろうと事情通らは捉えているようです。もしアップルがモバイル市場において優位を保とうとするのであれば、大型スクリーンという選択肢は避けて通ることができないとするアナリストらもいます。

「メディア視聴、コンテンツ消費の利点を考慮すれば、スクリーン大型化はきわめて重要なポイントになる。米国で、アップルのデバイスではなくアンドロイドのそれを選んだ消費者は、その理由として、スクリーンサイズを最大要因のうちの一つとしている」と、調査会社Piper Jaffray のアナリストであるジーン・ミュンスター氏とダグラス・クリントン氏は先週、同社の調査ノートで述べています。

さらにクリントン氏は、「AT&Tが提供している非iPhoneのスマートフォン21機種のうち、わずか2機種のみが4インチまたはそれ以下。価格を別として、非iPhoneを選んだ消費者において、スクリーンサイズは最も大きな理由の一つだ。ハイエンド市場において、スクリーンサイズは、消費者をiPhoneから離れさせる最大のファクターだと言える」としています。

この傾向は特にアジアにおいて顕著とのこと。

「真の理由は、アジアにある。アジア方面では、消費者が4~5インチのスクリーンを選好している。このためアップルは、せっかくの市場シェアを取りこぼしている。直近の過去18か月間で、4~5インチ超えのスクリーンサイズのスマホは急成長を続けている」と、調査会社Cantor Fitzgeraldのアナリストであるブライアン・ホワイト氏。

このような消費者の嗜好のほか、スマホのスクリーン大型化という傾向は、モバイル市場の別のプレーヤーである広告関連企業にとっても都合が良い様子です。

スマホやタブレットの普及のおかげで、モバイル広告も急成長を遂げている市場です。しかし問題がないわけではなく、広告会社は、広告の頻度、広告のサイズなどで悪戦苦闘しているのが現状です。

市場データおよび「タグ」管理を専門とする企業TagManのジョン・バロンCEOは、「大型スクリーンであれば、ユーザー経験を維持しつつ、よりたくさんの広告を出すのが簡単になる」と述べ、「広告が完全にウェブページをブロックすることなく」また「ユーザー経験を損なうことなく」、アプリを使用したり、ウェブサイトを見たりするユーザーの実例を挙げました。

「もし消費者がショッピングをオンラインで行うことが多くなれば、広告会社もモバイルサイト向けに広告を最適化するようになる。そうなると、アップル始めモバイルデバイスのメーカーは、消費者がより簡単でより便利な買い物ができるように、また広告会社がより見やすい広告を提示できるように、デバイスを開発するようになるはずだ」と、バロンCEO。

アプリやデータソースの相互作用を管理するAPI(アプリケーションプログラムインターフェース)の専門企業StrikeIron社のボブ・ブラウワーCTO(最高技術責任者)は、「モバイルアプリが増えれば、APIの必要性も高まってくる。逆に、APIが増えれば、モバイルアプリの開発は加速する。なぜならモバイルアプリは、バックエンド上のAPIの組み合わせによって得られるユーザーインターフェースに過ぎない場合が殆どだからだ」と述べています。

「モバイルアプリが、そのサイズ、射程、多様性、広範さにおいて増加していけば、より豊かなモバイル経験への要望も高まり、これらの要件に応えようとすることになる。結果として、大型スクリーンが非常に重要になってくる。もしアップルがこのトレンドに応えようとぜず、大型スクリーンによって得られるより豊かな体験を提供してくれるアプリケーションを無視するようなら、アップルは、プラットフォームをめぐるアンドロイドやサムスンとの争いから脱落するリスクを犯すことになるだろう」と、ブラウワーCTO。

とは言え、消費者の選好こそやはり一番大切な要素。ブランドコンサルタント企業Vivaldi Partnersのフィリップ・ライアン社長は、「より多くの広告を見えるようにするためだけに、アップルがスクリーンを大型化させるとは思えない。アップルは常に、消費者の必要性に応えてきた。消費者が本当に大型スクリーンを欲しがっているのであれば、アップルは大型スクリーンを提供するだけの話だ。アップルは熟慮の末、回答を出してくるだろう。他のスマホメーカー間で繰り広げられているスクリーンサイズをめぐる争いとは一線を画した何かが出てくるのではないだろうか」と述べています。

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