iOS 7で大きく変わる! Siriの新機能 諸々
iPhone 4Sと共に鳴り物入りでデビューしたSiriですが、その大きな期待とは裏腹に鳴かず飛ばずの状態が続いています。もはやSiriの存在すら忘れているユーザーもいることでしょう。しかし、iOS 7のSiriは一味違います。米国のiMore編集主幹ルネ・リッチー氏が、iOS 7で大幅に拡充されるSiriの機能を紹介しています。
新しいSiriには、設定へのアクセス、Bing、ウィキペディア、ツイッターの検索結果を含む提携サービスへのアクセスなどが加わります。
SiriはiOS 5のとき、副次的な自然言語インターフェースとして、iPhone、後にはiPad、iPodタッチに導入されました。最新のiOS 7でSiriは、デザインも刷新し、提携ベースのサービスが加わります。お馴染みの装い、スポーツ、映画などのウィジェットはなくなり、よりシンプルで客観的、かつゲーミフィケーションの要素を取り入れた外装とフィールに変更されます。
アップルは、iOS 7について以下のように述べています。
「iOS 7のSiriは、装い、サウンド、機能において刷新される。スクリーン上で特に目立つのは、フェイドインする見えをもつインターフェースの再デザイン化だ。よりクリアで、より自然な女性または男性の音声により、Siriはさらに理解しやすいものとなる。回答もより迅速になり、Bing、ウィキペディア、ツイッターなどの情報元をチェックするようになる。また折り返しの電話コール、ボイスメール、iTunes Radioのコントロールも、新たなタスクとして加わる」
では具体的に、新機能を見てみることにしましょう。
・Siriは、iOS 7の新デザインに合わせて、新たなインターフェースとなります。レイヤー、ぼかしフィルター、明確な書体・デザインなど。ダイナミックなオーディオウェーブも登場します。
・新たに高品質な音声が加わります。女性および男性の音声で、英語、フランス語、ドイツ語が揃っており、今後さらに言語は増えます。
・内蔵のコミュニケーションアプリへのアクセスが簡単になります。電話からボイスメール、明るさ設定やBluetoothなどの設定が可能になります。
・新しいSiriは、Twitterで、あなたがフォローしている人が何を言っているか、何が起こっているかについて、Twitterから情報を入手します。
・ウィキペディアの検索結果をインターフェース内に表示します。
・マイクロソフトのBingを使ってウェブ検索もします。画像の検索も含まれ、結果を表示します。
Siriは表向きマルチタッチインターフェースではないので、必要な場合はタップして入力する必要があります。しかし音声入力をし始めてしまうと、新iOS 7インターフェースのメリットも少なくなります。とは言え、一貫したルックを保つことは重要で、装い新たなレイヤーやぼかしなど、旧バージョンに劣らず豊かな印象です。美しいと言う他ない箇所もあります。
サウンドウェーブのイメージは、Siriに先立つVoice Controlを想起させます。見て愉しいビジュアルです。Siriの新しい書体やデザインは、ときに重たい印象を見せますが、わるくはありません。
新しい音声を備えることは、アップルにとって重要でした。オリジナルの女性の音声は、アップルだけの専売ではなかったので、最初に採用される音声として、ちょっと首を傾げたくなる選択でした。他の何かであってもよかったし、競合他社も別の何かを選ぶことができました。しかし今回の新しい音声はオリジナルで、アップル専有のものです。
設定へのアクセスが加わることは、新iOS 7の特徴として素晴らしいものです。ややオタク向けの機能とも言えますが、自然言語でのコントロールが出来るようになるのは、大きな飛躍です。
他にも、コミュニケーション系の特徴も新iOS 7には加わります。以前からSiriは、Eメール、メッセージを探すことができましたが、ボイスメールも可能になることは嬉しい追加です。またツイートを探すこともできます。今後望ましいのは、iOS上のすべてのメッセージを見つけたり、読んだりできるようになればと思います。
アップルは昨年、映画、スポーツのチケット購入、レストラン予約の機能を、Siriに加えました。今年はそんな商用サービスの追加はない様子ですが、情報サービスとして、ウィキペディアやBingの検索が追加されます。アップルはSafariでGoogleと決別しているわけではありませんが、Siri向けにマイクロソフトと組むとは意外な展開です。こんなことをすれば、またアップル対Googleの冷戦で犠牲者が出ると思う人もいるかもしれませんが、Siriは常に提携が必要なサービスで、マイクロソフトがアップルに良いものを提供してくれただけと考えるのがよいでしょう。まだ分からないのは、その結果が吉と出るか否かです。
アップルが公表しなかったことの一つに、Siri向けのオンデバイス機能があります。Googleはこれを提供していますが、ネットワーク接続、バックエンドのサーバーへの接続が最小限で済みます。フォンまたはタブレット上のアプリに関する動作、例えば、設定、リマインダー、音声解析はデバイス上で完了します。リクエストがオンラインする必要のある場合のみ(例えば、ウェブやサービスのチェックなど)、ネットに接続します。Siriは現在、何をするにせよサーバーへ接続します。これにより速度が鈍化し、Googleの音声技術よりもエラーが多くなりがちです。
Siriはまた、Google Nowのような予測型のアシスタントサービスを備えていませんでした。アンドロイドのGoogleのように(より限定されたiOS向けのGoogle検索アプリのように)、iOSのアップルは、カレンダー、ロケーション、環境およびソーシャルデータを集約し、そこから、私たちがどこにいるのか、どこに行くべきなのか、誰と、どんな条件下で、といった内容を合成することができます。Siriに訊ねる代わりに、Siriの方からこれらの情報を与えてくれるのです。だからこちらから訊ねる必要はないわけです。
アップルは現在、通知センターの新しい「今日」画面で、何かをしようとしているようですが、詳しいところは未だ不明です。おそらくそれは、Siriの一部となるよりも、Siriを補完するシステムとなるでしょう。予測型のアシスタントです。
理想を言えば、予測型のSiriが、現在のロックスクリーン上の通知および「今日」画面と取って代わることです。どちらにしても、現状、Googleはアップルより一歩進んでいます。この現状が直ぐにも、逆転されることが望まれます。
新たにアップデートされたSiriは、今秋iOS 7の一部として登場します。
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