Apple Watch、知っておくべき11のこと
アップルは9日(現地時間)、製品発表のメディア・イベントで、同社初のスマートウォッチ「Apple Watch」を発表しました。近年、急成長が見込まれるスマートウォッチ市場ですが、今回の発表は多くのアップル・ファンが待ち望んだものだったと言えるでしょう。Apple Watchの発売は2015年前半、また価格は349ドル(日本円で約3万7000円)とされています。
米国のニュースサイトVoxが、Apple Watchの機能や特長を紹介しています。
1. 洗練されたデザイン
今回のイベントにファッション・ブロガーらも招待されたのにはわけがあります。Apple Watchは、単に「便利でハイテクなウェアラブル・デバイス」というだけではありません。ポイントは「おしゃれ」なこと。
アップルCEOのティム・クック氏はイベントで、Apple Watchの開発においては、その機能だけでなくデザイン性についても重視したと話しています。プレゼンテーションの動画では、まるでファッション誌でも見ているかのような画像がいくつも飛び出しました。
とは言え、本体側面のリューズのようなつまみ(デジタルクラウン)や画面サイズから見ても、一見して時計であることは明らかです。特に画面サイズにおいては「小さく薄く」デザインされていて、ライバル商品に特有の「厚く大きな画面」からの逸脱を図ったようです。
一方、洗練されているのは見た目だけではありません。Apple Watchは機能面でも優れています。今回アップルが搭載したインターフェースは、タッチパネルの操作ではなく別の方法で操作するというもの。
クック氏が話した「Apple Watchのような小型の画面で『ピンチイン』や『ピンチアウト』をしようとするのは至難の業」というのも頷けます。Apple Watchではデジタルクラウンが、ズームや、スクロールアップ、スクロールダウンなどを行うためのものになります。とは言うものの、タッチパネルも搭載されているので、スワイプやスクロールで画面を操作することも可能です。
2. 豊富なモデル
Apple Watchには3つのモデルがあります。通常モデルと、18金製の「Watch Edition」、軽くて頑丈なアルミ製の「Watch Sport」です。また文字盤のサイズにも38mmと42mmの2種類があります。なぜ異なるサイズを用意したのかについては特にイベントで触れていませんでしたが、従来の時計と同じように男性用・女性用として区別しているのかもしれません。
さらにバンドの種類も豊富で、スポーティーなものからドレッシーなものまで幅広く取り揃えています。文字盤のデザインも多彩で、バラエティー豊かにカスタマイズすることができます。
3. iPhoneとの連携
Apple Watchを楽しむにはiPhoneとの連携が必要です。今のところiPhone 6とiPhone 5の全モデルで、連携が可能になるとされています。
4. コミュニケーション
自分の鼓動を誰かに伝えたいと思ったことはありますか。これからは、Apple Watchで記録した鼓動を別のApple Watchへ送信することで、鼓動さえも共有することができるのです。
一方、新たな「デジタルタッチ」システムの採用で、画面に描いた絵を送信することもできます。イベントでは、アップルのケビン・リンチ氏が画面に描いた魚の絵を友人に送信し「昼食は寿司にしないか」と訊ねていました。Apple Watch同士であれば、無線トランシーバーのように使用することもできます。さらに絵文字の使用も可能です。
5. 健康管理機能
アップルはApple Watchを「健康と運動をトータルでサポートするデバイス」と謳っています。歩数計や心拍数計として機能するだけでなく、消費カロリー、1日の活動量、最近立ち上がったどうかなどさえも測定することができます。
さらにユーザーの傾向についても学習し、健康を維持するための目標を提案してくれます。これらはすべてiPhoneの健康管理アプリと連動して機能し、フィットネスの進捗状況を長期間にわたって管理・記録することができます。
6. モバイル決済に対応
今回、正式に発表されたアップルのモバイル決済機能「Apple Pay」がApple Watchにも搭載されます。これからはレジの支払いでわざわざ携帯電話を操作しなくても、手首をタップするだけでいいのです。
7. サードパーティー製アプリ
Apple Watchでは、サードパーティー製アプリの利用も可能です。これらのアプリでは、フェイスブックの閲覧や野球の試合結果の確認、自分の車を駐車した場所(BMW製アプリ。BMW車のみ)を探すことなどが可能です。その他スターウッド・ホテルとは、客室のドアを開錠できるアプリを開発しました。
8. バッテリーと充電
今回アップルが強調した機能の一つに、電磁誘導方式の充電があります。これにより今後は、充電コードを差し込まずとも本体の裏面にマグネットのように接触させるだけで充電することが可能になります。
しかし不明なのはバッテリーの駆動時間。他社のスマートウォッチでも、バッテリーは常に重要なポイントです。調査によれば、他社製品のバッテリーは、数時間しかもたないものから1週間も駆動するものまでさまざま。傾向として、例えば画面は白黒でタッチパネルもない、基本的な機能のみのデバイスほど、駆動時間は長いと言えます。
Apple Watchと競合可能性のある最新の他社製品を見てみると、例えばソニーの新製品「SmartWatch 3」は1回の充電でおよそ2日間利用できるようです。一方モトローラの「Moto 360」は、「1日とちょっと」というあまりの短さに、発売後、厳しい批判を受けていました。
ナビゲーションを振動で
Apple Watchには独自のモールス信号システムが採用されています。この機能を用いることでApple Watchは進行方向を伝えるナビゲーションとして働きます。素晴らしいのは右折左折のタイミングを振動で知らせてくれること。
方向確認をするために、音声案内を聞いたり画面を見る必要はないのです。ある振動では右折のタイミングを、別の振動では左折のタイミングを伝えてくれます。
10. Siri
Apple Watchには、iPhoneですでにおなじみの音声アシスタント機能「Siri」が搭載されています。デジタルクラウンを押すと作動し、天気予報を調べたり付近の店を検索することができます。
11. 時計としての機能
Apple Watchは時計としての機能にも優れており、例えば今いる場所のタイムゾーンに合わせて、時差やサマータイムを自動で調整します。またクック氏によれば、Apple Watchは世界標準時との誤差を0.05秒以内にとどめるほどの正確さだということです。
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