スマホ価格も格差拡大、iPhoneの平均販売価格はAndroidの2.7倍
モバイル市場において、iPhoneと競合製品との価格差が拡大し続けています。iPhoneシリーズとAndroid端末とでは現在、iPhoneの平均販売価格の方が2.7倍高いと言われています。
昨年9月に発売のiPhone 6 / 6 Plusでは、これまで同様64GBモデルを維持し、かつ128GBという大容量モデルを新たに投入しました。またファブレットの6 PlusはiPhone 6よりも100ドル(約1万1700円)高い価格設定となり、これら一連の理由から、iPhoneの平均販売価格は2014年10~12月期に687ドル(約8万1000円)まで上昇しました。
これに対して、米ABIリサーチ社とウォール・ストリート・ジャーナル紙の新たなデータによると、Android端末の同四半期の平均販売価格は、わずか254ドル(約2万9900円)だったといいます。事実、Android端末の平均販売価格は、過去1年間にわたり、100ドル(約1万1700円)以上も低下しました。
こうした価格の下落は、世界トップクラスのサムスンにも影響を及ぼしており、このほど発表された同社モバイル部門の第4四半期(2014年10~12月期)の営業利益は、前年同期比で64.2%減となりました。同時にiPhone 6 / 6 Plusの登場は、特にサムスンの主力製品であるGalaxyシリーズに大きな打撃を与えています。
高価格帯のGalaxyシリーズとは反対に、低価格帯でシェアを獲得しているのは中国のスマートフォン・メーカー、シャオミです。同4四半期の同社スマートフォンの平均販売価格は、約220ドル(約2万5900円)だったとされています。
一方、スマートフォン市場が低迷にあえぐなか、アップルは着実にiPhoneの平均販売価格を伸ばしています。ABIリサーチ社によると、2014年7~9月期のiPhoneの平均販売価格は約600ドル(約7万600円)でしたが、これを同10~12月期の平均販売価格687ドル(約8万1000円)と比較すると、大幅な価格上昇になっていることが分かります。
マイクロソフト社に至ってはさらにひどく、同社携帯電話部門では、同四半期の平均販売価格がわずか45ドル(約5300円)だったと伝えられています。
さて、アップルはこのほど2014年10~12月期の業績発表で、iPhone の販売台数が7450万台、純利益が180億ドル(約2兆1000億円)を達成し、ともに新記録を樹立したと公表しました。
マーケット・ウォッチャーのなかには、何年もの間「アップルは低価格のAndroid端末と競合し、シェアを勝ち取るべきだ」と言い続けてきた者もおり、今回の業績発表によって、アップルがその波に乗ったと見る向きもあるかもしれません。しかしアップルが長年目指してきたものは「手の届く高級ブランド」であり、消費者が求める「高級品」を適正な価格で世に送り出すことであるため、この考え方とは相いれないのが現状だと考えられます。
via - Apple Insider