Galaxy時代は終焉へ、好調維持のiPhoneと売れないGalaxy
サムスンは、あらゆる手段を使ってスマートフォン市場を征圧してきました。しかし、ローエンドからハイエンドまで市場の競争が激化するにつれ、Galaxyの売上げは以前より目にみえて低下しています。サムスンが王者でいられる日々は残り少ないと見る専門家もいるようです。アップル情報に詳しいブロガーのジョニー・エバンス氏が米Computerworldに寄稿しております。
現在の流れ
サムスンの売上げ悪化は、韓国の株式市場に度重なる暴落を引き起こしてきました。同社がただちに手を施さない限り、これらは一時的な急落ではなく、新しいトレンドの始まりと化すでしょう。
ハイエンド市場では、アップルが勢いを盛り返しています。背景に、ユーザーがAndroid製品からiPhoneへの乗換え(あるいは所有するiPhoneの更新)の準備を始めたため、世界中でスマートフォンの売上げが失速していることがあります。
しかしそれだけではなく、アップルの製品に「韓国製」製品には太刀打ちできない魅力があることも、理由として挙げられます。失敗作とされるiPhone 5cでさえ、毎週の売上げはGalaxy S5を上回っています。5cは、Android製品に不満を持つ、ハイエンドの機能を求めるユーザーに格好のプレゼントになるはずです。
サムスンには、ローエンド市場でも同様のプレッシャーがかかっています。そこでは、ファーウェイやレノボといったブランドが、サムスンと同等に上質かつデザインに優れた(?)製品を、サムスンより安い価格で販売し同社を上回る売上げを上げているからです。
安い模倣品
他にはないユニークな製品を作ろうというサムスンの思惑は、OSにAndroidを使っていることで打ち砕かれます。しかも競合品は一段と安い値段で販売されている。サムスンの成長率が最近12か月で急激に低下した理由がここにあります。同社スマートフォン部門の収益は、2013年第2四半期(4~6月)は前年比47.8%増でしたが、今四半期(7~9月)には下落しています。
事実とフィクション
米ブルームバーグは8日(現地時間)、「低価格スマートフォンの苦戦によりサムスンの利益が予想を下回る」との見出しで記事を発表しました。しかし見出しは最終的に「サムスン、利益は予想を下回るがスマートフォン販売は回復の見込み」に変更されました。
前者は事実に、後者はまだ起っていないこと、つまりフィクションに基づく見出しです。前者がニュースなら後者はブログ記事です。第3四半期にサムスンのスマートフォン売上げが回復することを示す、十分な根拠はありません。当四半期は休暇シーズンのため、例年スマートフォン市場の活気が停滞します。また、次期iPhoneにユーザーの注目が集まる時期でもあります。
戦いは中国へ
ブルームバーグの記事の興味深い点は、アップル対サムスンの戦いが中国で決することを暗に示していることです。中国のアップルファンは、アップル製品を手に入れるために自らの臓器を売ってしまうほどに熱狂的です。サムスンにそんなファンがいるでしょうか? しかも、iPhoneを作っているのは他でもない中国の人々です。
Galaxyの時代は終わったといえるでしょう。