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ジョナサン・アイブ氏インタビュー:デザイン哲学、ジョブズとの思い出、アップルの未来について

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アップルのインダストリアルデザイングループ担当上級副社長であるジョナサン・アイブ氏が、英国の新聞The Sunday Timesでロングインタビューに応じました。このインタビューは同紙のサイトで読むことができますが、アイブのデザイン哲学、かのスティーブ・ジョブズとの親密な関係、アップルの未来への思いなどが語られています。米国のThe Vergeが伝えています。

アイブ氏はこう言います。

「私たちは名もないどうでもよいモノに取り囲まれて暮らしている。というのも、それらを使う人々がそのモノをどうでもよいと思っているからと考えると納得がいく。しかし私たちアップル社が作ってきたモノは、人々が夢中になるものだ。これは単なる美学ではない。人々は、じっくりと考えて作られたモノに夢中になる。私たちは、じつにたくさんの美しく(そうであることを願う)洗練されたモノを製作し販売してきた。アップルの成功は、純粋さと品位を求める戦いにおける勝利だ」

アップルの成功はこのことを証し立てています。

アップル社をコピーする他社について訊かれて、アイブ氏はぴしゃりと「それは泥棒だ。コピーされたのは、デザインだけではない。膨大な時間をかけた労力が奪われたのだ。何かを成し遂げようとして、それが達成された時にのみ、私たちは『これはやる甲斐のあることだった』と言うことができる。そこには何年にも及ぶ投資があり、労苦が刻まれているのだ」と答えました。

アイブ氏は20年以上アップル社で働いてきましたが、2011年にスティーブ・ジョブズと一緒に行った旅行の思い出に触れて、こんなことを述べています。

「ホテルに着いて、僕たちはチェックインをした。僕は部屋に上がった。旅行バッグをドアの所に置いたまま、荷物をとくことはしなかった。ベッドに座り、いつものようにスティーブからの電話を待った。スティーブから電話があった。『ヘイ、ジョニー。このホテル、全然ダメだ。違うところにしよう』」

アップルが、iPhoneやiPadのようなモノの再定義を迫るような優れた製品を生み出す能力を失ってしまったのでは?との問いに対して、アイブ氏はこれを否定。そしていつものように、アップル社が構想中・開発中と思われることについては、持って回った言い方に終始するのみでしたが、こんなことを述べています。

「私たちは目覚しい時代の始まりにいる。目覚しい製品が数多く開発されるだろう。技術 (テクノロジー)というものをよく考えよう。これまで技術が何を可能にしてくれたか。また今後、何を可能にしてくれるのか。こう考えると、技術に限界などあり得ない。これまでもそうだったし、今後もそうだ」

アイブ氏によるジョブズ追悼スピーチ。
インタビューで触れたジョブズとの旅行の思い出を語る一幕も。

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