iOS7、デザイン一新も開発に遅れ
アップルの次世代モバイル端末向けOS「iOS 7」は6月の開催が噂されるWWDCでの発表が期待されていますが、その開発には遅れが生じている模様です。米国のThe Vergeが伝えています。
以前、アップルのインダストリアルデザイン部門上級副社長ジョナサン・アイブ氏が同社全体のヒューマンインターフェースの開発を担当すると分かったとき、多くの人は、これでiOSが大きく変貌を遂げるのでは? と期待しました。なにしろ、Andorod 4.0などで見られる他社の徹底的な機能の見直しに比べれば、iOSは単なるマイナーチェンジにしか見えないアップグレードを何年も繰り返していたのですから。
ワールドワイドデベロッパーズカンファレンス(WWDC)を数ヶ月後に控え、人々の興味はiOS 7に集中しています。情報ブログDaring Fireballのジョン・グラバー氏によれば、アップルは自社の開発目標を達成するために、OS Xチームから人材を再配置する必要があるとのことです。
「私の聞いた話では、iOSの進捗が予定より遅れているため、OS X 10.9のエンジニアを引っ張ってきて、iOSに専念させているとのことです。」
締め切りに間に合わせるために、アップルが手駒のエンジニアをあちこち移動させるのは、今に始まったことではありません。グラバー氏が指摘するのは2007年にMac OS X 10.5(Leopard)を発表したときのことで、当時エンジニア達をiPhoneのプロジェクトに再配置したために、Leopardが遅れてしまったのではないかと疑問を呈しています。実際のところ、iPhoneは6月の発売に間に合わせることができましたが、一方のLeopardは遅れに遅れ、6月の予定が10月になってしまいました。
「これ以上の追加変更があれば、さらに時間がかかることは想像に難くありません」
アイブ氏によれば、アップルの次期モバイルOSは、より現代風で"フラット"なデザインになるとのことです。また、iMoreに掲載されたルネ・リッチー氏の記事では、副社長だったスコット・フォーストール氏の退社など、iOSチームに大きな変化が起きたことにより、開発サイクルが影響を受けたとしています。仮に人事異動による圧力を計算に入れなくとも、デザインに追加変更があれば、それだけ通常のiOSのアップデートより時間がかかることは想像に難くありません。
しかし、iOS 7に注力するために、アップルがOS Xチームのエンジニアを異動させたという理由だけで、それがすなわち新しいモバイルOS、または夏の発売が噂されているアップルの次期iPhoneに影響するとは思えません。よりありそうな話として、iOS 7に予定されていた優先度の低い機能が、時間の制約のために搭載が延期されることが挙げられます。