故スティーブ・ジョブズ、iPhone5Sの製品設計に関与していた?
アップルの2つの次期iPhone製品は、2011年10月のスティーブ・ジョブズ氏の死より前にすでに設計されていたことが、アップルの渉外担当者のコメントにより明らかになりました。イギリスGuardianが伝えています。
San Francisco Examinerは3月31日(米国時間)、アップルの渉外担当シニアマネジャーのマイケル・フォルケス氏が、携帯電話の盗難防止に注力しているサンフランシスコ州検事ジョージ・ガスコン氏との会合において、2つの次期iPhone製品は「(現CEO)ティム・クック氏より前にすでに存在していた」と語ったと報じています。
つまり今年発売予定のiPhoneは、iPhone 5と同様、スティーブ・ジョブズ氏の生前にすでに計画されていたということです。アップルの共同創業者であるジョブズ氏は、2011年10月、iPhone 4Sが発表されたまさにその翌日に亡くなりました。
ジョブズ氏の伝記には、iPhone 5で発表されたSiriの音声認識機能を氏がテストしている場面が出てきます。
アップルが開発に2年も要していることに驚く人々(ガスコン氏も含む)がいる一方で、携帯業界で働く人々は「さほど珍しいことではない」と語っています。
フィンランドのノキアで働き、現在はAsymco社でコンサルタント業を営むホレース・デディウ氏は「携帯会社で働いていれば、(携帯電話がはるか昔に設計されていることは)不思議でもなんでもありません。わたしが目下製作中の製品は2016年に出荷予定です」と、驚くに値しないと語っています。
携帯電話が長い開発段階を持つことの別の証左は、ブラックベリーによっても明らかになっています。ブラックベリーは2年以上かけてタッチパネルを搭載した新しいスマートフォンZ10とQ10を開発中ですが、OSであるBlackBerry10が原因で少なくとも1年は発売が延期されていると見られています。
デディウ氏は、「携帯電話はソフトウエアだけで出来上がるのではない。ハードウェアの仕様はソフトとは異なる所要期間で決定されて行く」とも語っています。
サンフランシスコ州検事のガスコン氏は、盗難された携帯電話やタブレットを使用不可能にする共通のシステムを、アップルや他の携帯メーカーが共同で開発することを望んでいました。それによって盗難を抑制することが可能だと考えていたようです。しかしフォルケス氏はガスコン氏に対し、そのようなシステムのリサーチや具体化は「時間がかかり面倒」と語り、ガスコン氏を落胆させました。
イギリスでは携帯キャリア各社は、個々の携帯電話に固有のIMEI(国際携帯機器識別番号)を識別することで盗難電話がネットワークにつながることを防止する共通のシステムをすでに共同で採用しています。しかしこのシステムは国際的には採用されておらず、ある国で盗まれた携帯電話を別の国で使用することが可能なのが現状です。
アップルがiPhoneの開発に着手したのは2005年で、2003年にタブレットデバイスを構築した試みから派生したとみられています。オリジナルのタブレットデバイスはのちにiPadになりました。2005年の最初のiPhoneのプロトタイプをみると、電話というよりもタブレットに近い大きなデバイスだったことがわかります。