ソフトバンク、米携帯キャリア3位のスプリント買収を発表・・過去最高額
ソフトバンクは、米国のワイヤレスキャリア、スプリント・ネクステルを、日本企業による外国企業獲得としては過去最高額の201億ドル(約1兆5千700億円)で買収する取引に合意しました。USAtodayによるレポートです。
ソフトバンクの社長孫正義氏とスプリントの最高経営責任者ダン・ヘッセ氏の両氏は、15日月曜日、東京で開かれた共同記者会見において、両社の取締役会から取引が正式に承認されたことを発表しました、買収にはまだ、スプリントの株主総会と米国の規制当局による承認が必要とのことです。ソフトバンクは、契約は来年半ばまでに締結される見込みであると述べています。
今回の買収により、日本と米国でそれぞれ3番目に大きなモバイルキャリア同士が1つになります。そこには、ソフトバンクの成長への野心がはっきりと示されています。ソフトバンクは、この20年間に買収や投資を繰り返してきました。ヤフージャパン、英携帯電話会社ボーダフォンの日本子会社、中国の電子取引会社アリババグループなどがそこに含まれます。
孫氏は、米国は世界最大のスマートフォン市場であり今も成長を続けているため、この投資には大いに意義がある、と述べています。
このニュースは先週末にリークされ、巨大な投資を懸念する投資家たちをおびえさせ、ソフトバンクの株価を最近のセッションで3分の1ほど下落させました。スプリントの株価は対照的に、オファーを期待して上昇しました。
スプリントは近年、ベライゾンやAT&Tとの競争に苦しんでいます。21億ドルの長期借入を抱えており、コストのかかるネットワークの再編を始めたばかりで、アップルとは、iPhoneの販売権を4年間で155億ドルで購入する長期契約を結んでいます。
孫氏は、日本の携帯電話市場が何年も停滞を続けているため、新しい成長を海外に求めているようです。ソフトバンクはiPhoneの絶大な人気などもあって、そのような停滞にも関わらず例外的に強い利益を上げています。
ソフトバンクは、iPhone を日本で最初に発売したキャリアであり、発売後数年は日本で唯一のキャリアでした。iPhone は日本で大ヒットし、ソフトバンクのブランドイメージを形成し、ライバル2社から顧客を誘い出すことに貢献しました。孫氏は今年初めに、長年1位の座にあり続けるNTT ドコモを追い越すことを決心した、と述べています。
孫氏は、スマートフォンの登場で米国と日本の市場が多くの共通点を持っていることがわかったため、両社はお互いに利益を生み学びあうことができるだろう、と述べました。
孫氏はカリフォルニア大学バークレー校を卒業していますが、米国に単身渡米した時はわずか16歳だったそうです。
「私は米国に大きなカムバックができたこと、それを今日あなた方にこうやってご報告できることが幸せです」と彼は述べています。「この買収はさらなる大きな挑戦になるでしょう」。
今回の買収以前の、日本企業による過去最大の外国企業買収は、2007年、日本たばこ産業による英国のギャラハーグループの買収で、買収額はおよそ190億ドルでした。
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