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iPhone 5S、指紋認証センサー搭載への課題 - 専門家の意見

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iPhone 5Sの目玉機能と噂される指紋認証センサーですが、スマホへの搭載を実現した企業は未だ出現しておらず、幾多の壁が立ちはだかっているようです。果たしてアップルは、イノベーターとしての実力をiPhone 5Sで見せつけることができるのでしょうか。米国のBusiness Insiderが伝えております。

アップル次期iPhoneはiPhone 5Sになると言われており、指紋認証センサー搭載ともっぱらの噂です。その根拠は、アップルが昨年、指紋認証センサーなどのセキュリティー系ハードウェアを専門とする企業であるAuthenTecを、3億5600米ドル(約342億円)で買収した経緯があることです。

最近、この噂を支持する証拠が浮上してきております。アップルは先月、iOS7の新しいβ版をリリース。その中に、開発者らが将来的に指紋認証センサーを利用するために使うツールへのレファレンスを含む、Biometric Kitというラベルの付いたフォルダが見つかりました。

指紋認証センサーはどう機能するのか
「人間の指の腹には畝(うね)のような筋があり、指紋認証センサーはこの畝のマップを作ろうとする。畝のループ、アーチ、うず巻きのマップだ」と、スマートキースタートアップのKeyMe CTOのクリス・ボラー氏は、Business Insiderに語りました。

二つの異なる方法があります。一つはタッチレス、もう一つはタッチベース。タッチレスの方法のほうがより正確だとしても、本当に携帯電話にふさわしいものではありません。というのも、サイズに問題があると、生体認証の専門家であるゲッピー・パルジアル氏がInvasive Codeについて書いています。

指紋認証センサーは、いかにiPhone経験を変えるか
アップルはタッチベースのセンサーを用いる可能性が高くなっています。アップルがAuthenTecから買収したセンサー特許がそれだとすればです。その特許に記載があるように、ユーザーは指をセンサー表面上部でスワイプするか、指を置く必要があります。

指紋センサーがホームボタン内部に埋め込まれるという噂があります。また今後数年内に、iPhone、iPadはそのタッチスクリーンに、指紋認証センサーが埋め込まれるという話もあります。

もしアップルが次期iPhoneに指紋認証センサーを統合するとすれば、開発者らは、使用者の身元を証明するためのオプションがさらに増えると、ボラー氏は見ています。同技術は可能性として、セキュアログイン、デバイスのシェア、支払い、他、身元の証明が必要となるアプリケーションで使わるかもしれません。

しかしパルジアル氏によると、この技術は、センサー表面部の耐久性の低さから、壊れやすいというデメリットがあると言います。アップルがこの技術を金銭の支払いに使うとなると、それはあまり良いアイディアではないとのこと。

汗、汚れたポケット、暑かったり寒かったりする環境、太陽光にさらされること、さまざまな要因が、センサー表面部の感度と条件に影響する可能性があります。

パルジアル氏は、「もしこれが支払いに使用されるとなると、それは大きな間違いとなる。センサー表面部の崩壊が進行し、指紋認証におけるもっとも危険な問題を誘発するだろう。誰か別の人があなたのデバイスに誤って認証されるようなことが起こりうる」と書いています。

セキュリティーと他の問題
ボラー氏は、二人の人物の指紋が非常に似ている場合もありうると指摘。指紋認証技術は、パスワードやセキュリティー質問などより取り扱いが難しくなっています。指紋は一定のスペースをとり、より広範なネットワーク帯域を必要とします。

ボラー氏は、「この技術は、より多くの処理、より複雑なアルゴリズムを必要とする」とし、「とはいえ、指紋認証であれば、何も覚える必要はない。指紋は、パスワードよりも、盗むのがはるかに難しい」と述べました。

指紋認証技術は、なぜ過去のデバイスで失敗したのか モトローラ、富士通、シーメンス、サムスンのような企業が、指紋認証技術をモバイルデバイスやPCに統合しようとしてきました。しかしその努力も、センサー表面部が経年劣化するため、むなしく終わりました。

結論
もしアップルが次期iPhoneにタッチベースの指紋認証センサーを採用するとすれば、そのセンサーが孕む技術的な問題のせいで、実際に使いやすいツールというより、ギミックにちかいものとなるかもしれません。

※ギミック・・・ギミックはちょっとした仕掛けの意味。製品やサービスの宣伝で利用される興味を引かせるための仕掛けをいう。ギミックは珍しいあるいは不自然な言葉でユニークさを示すことが可能。直接メッセージとは関係しない見出しや絵を用いたりする。アテンション(注目)させる一種のテクニック。 参照:weblio辞典

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