Galaxy S4は「パッとせず」、iPhone 5優位の形勢に変化なし?
大きく取り沙汰されてきたサムスンのフラッグシップモデルGalaxy S4がいよいよ初登場。しかし市場ウォッチャーの見方は辛口で、iPhone 5優位のハイエンドスマートフォン市場の形勢に変化はなく、アップルへの影響も軽微だろうとの観測です。米国のApple Insiderが伝えております。
サムスンは14日、ニューヨーク市のRadio City Music Hallで派手なイベントをゴールデンアワーに開催、ついにGalaxy S4を発表しました。サムスンのプレミアムな新スマホは、もちろん昨年9月にリリースされたアップルiPhone 5へのレスポンスです。
米調査会社Topeka Capital Marketsのアナリストであるブライアン・ホワイト氏は、Galaxy S4を、フラッグシップモデルの一新とは見つつも、スマホ市場の形勢を大きく変えるもの (game changer) とは見ていません。同氏はむしろ、アップル期待の「iPhone 5S」こそ、それが今年後半にリリースされれば、Galaxy S4を「かるく凌ぐ」と予想しています。
ホワイト氏の見方では、Galaxy S4の強みの一つにスーパーAMOLEDディスプレイがあり、その1インチ当たりのピクセル数は441ppi。iPhone 5の326ppiを上回る高解像度スクリーンです。
Galaxy S4のその他の面について、ホワイト氏は、「iPhone 5より重く、分厚く、あまりパッとしない」とし、iPhone 5がその先行機種であるiPhone 4Sに比して18%薄く、20%軽くなったのにひきかえ、S4はS3に比して8%薄く、2%軽くなっただけだと述べています。さらに、Galaxy S4のプラスティックケースは、iPhone 5のアルミニウムユニボディとは「比べ物にならない」と、同氏。
「サムスンがアップルをイノベーションで追い抜いたとして、アナリストらとメディアが、アップルの最近の在庫減少を大きく取り上げたことに、私たちは驚いている。なかにはサムスンがスマホ市場で、アップルを叩き潰すと信じている向きもあった。完全なナンセンスだ」
他にも、サムスンの新モデルをあまり評価しないアナリストとして、米調査会社Piper Jaffrayのジーン・ミュンスター氏がいます。同氏はGalaxy S4を「進化」モデルと見ており、今年2013年のハイエンド層のスマホ市場において、アップルiPhoneのシェアは維持されると予測しています。
ミュンスター氏はGalaxy S4を、アップルiPhoneの「S」モデルになぞらえ、ちょうどiPhone 3GSやiPhone 4Sのようなものと見ています。双方ともに先行機種であるiPhone 3GやiPhone 4と同じデザインのマイナーチェンジです。
同氏は、「S4は、今年のハイエンドスマホ市場における、iPhone最大のライバルであるのは間違いない。しかし私たちは、iPhoneの売上推計1億7750万台という数字に自信をもっている。これには9月を含む四半期に出てくるだろう廉価版iPhoneも含まれている。S4は今年いっぱいハイエンド市場において、iPhoneのシェアに大きな影響を与えることはないだろう。しかし他のアンドロイドフォンのシェアを奪うことになるだろう」と、述べています。