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インセル式タッチパネルの生産効率低迷、iPhone 5の出荷に影響も

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インセル式タッチパネルを生産する産業筋で最近出回っている噂によると、同パネルの歩留まり率(生産品中の良品の比率)が低すぎて、収益に結びつかない状況だとのこと。生産を請け負っているのは、日本ディスプレイ、LGディスプレイ、シャープ。次世代iPhone向けにパネル生産を受託しているとされています。台湾のDigitimesが報じております。

アップルは、伝えられるところによると、各1パネルにつき推計10-15米ドルの補助金を、パネルのサプライヤーに提供しています。これは言うまでもなく、生産性アップと新iPhoneを2012年内の発売以降の安定的出荷を目的としています。

インセル式タッチパネルの歩留まり率の低さは、アップルに対して、新iPhoneの出荷スケジュールを狂わせる要因となります。

サプライヤーの中でも、日本ディスプレイの歩留まり率は50%ですが、タッチパネル生産から利益を出すには未だ十分ではありません。LGディスプレイの歩留まり率は少しずつ良くなっていますが、未だ生産増大ができるほどのレベルには達していません。

その間、シャープによるインセル式パネル生産の歩留まり率はあまり改善しておらず、アップルは同社に対して、検証過程の見直しを求めました。

このような歩留まり率の成績の悪さゆえ、来るiPhoneのインセル式パネルの出荷は、各社合わせて7月時点で400~500万台と推定されており、第3四半期向けの2000~2500万台というアップルの目標値には全然達していないことが分かります。しかしアップルは各パネル生産各社に、何としてでも生産量をアップするよう士気を鼓舞しつつ、その生産コスト削減を援助するため補助金まで出している模様です。

アップルはこの第3四半期に、新iPhoneを発表する予定です。マーケットウォッチャーらは、iPhone出荷は今年2012年の第4四半期にピークを迎えると見ています。

さらに、同産業筋のソースによると、現在のインセル式タッチパネル生産の歩留まり率の低さによって、アップルが、透明投影型静電容量方式タッチパネルの開拓者であるTPK(iPhone先行機種モデルのパネル生産を請け負った)に接近する可能性があるとのこと。新iPhone向けに、全ラミネート加工過程を用いてタッチパネルを生産するとしています。

しかし、これらの噂について、Digitimesのリサーチアナリストであるルーク・リン氏は、インセル式タッチパネルを生産する企業の歩留まり率低迷が、今年第4四半期における次世代iPhoneの供給不足を招くおそれを懸念しつつも、アップルが新iPhoneのデザインで、全ラミネート加工過程をTPKに再び任せるようなことは可能性として低いと観測しています。

その理由は、検証過程の様々な段階を全部やり通すには、少なくとも1四半期以上の時間がかかるため。同氏によると、新iPhoneは現在、生産検証テスト過程にあるはずだとのことです。

アップルが2012年に出る予定のiPhone向けに2つのサンプルデザインを開発しないかぎり、そしてこの2つがエンジニアリング検証テスト過程及び後半のテスト段階を経ることがないかぎり、同社が今年、TPKのタッチパネルを採用したデバイスをリリースすることはあり得ないだろうと、リン氏は付言しました。

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