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我々が思うよりはるかに深刻な、アップルのマップ問題

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アップルのマップアプリを安心して使えるようになるには、まだかなりの時間がかかる?

アップルは先日、不完全なマップアプリを搭載してiOS 6を発表したことを謝罪しました。私たちの大多数は、アップル製のアプリが修正されるまで、サードパーティ製のアプリでやり繰りしようと考えています。今やアップルは、どんなことでも成し遂げてしまう能力を持つ会社のように見えるので、アップル製マップがグーグル製マップをしのぐ、とは言わないまでも、グーグル製と同等になるまで長い時間はかからないはずと思っています。

しかし、たぶんそれは違います。アップルのマップ問題は、我々が考えるよりもはるかに深刻であり、サードパーティ製の代替品と手が切れるまでには長い時間がかかりかねないのです。米国のCult of Macがレポートしています。

ティム・クック氏は、iOS 6ユーザーに向けた公開メッセージの中で、こんな風に約束していました。「多くのお客様に当社のマップを使っていただくほど、マップの品質は向上します。これまで当社にお寄せいただいた、すべてのご意見、ご要望に心から感謝しております」と。しかしながら、デビット・タルボット氏がTechnology Reviewに寄稿した記事によれば、アップルのマップ問題の「原寸大」の大きさは、アップルが理解しているよりはるかに大きく、とても顧客からのフィードバックに頼ってどうにかなるものではないとのことです。


"こんなに規模の大きな問題-特に、数百万もあるという商業施設など検索ポイントの名称誤記という問題-を解決するには、新規のデータ提供者と、修正をより簡単に行うため方法が必要である。さらに、広く分散した各地域に、十分にやる気のある修正者が欠かせない。今のところ、そのような動きはほとんど見られない、というのが専門家達の見方である。"


現時点で、iOSユーザーがマップの問題を報告したいときは、マップのアプリを通じて行えます。しかし、実際にそんなことをする人が果たしているでしょうか? 仮にある道を探していて、それがマップに表示されなかったとして、それをアップルに伝えますか? それとも単にアプリを閉じてサードパーティ製のアプリを開きますか? 私たちの圧倒的多数は後者に属するはずです。

そんなわけで、アップルが問題点の報告を集めようと思ったら、ユーザーからの報告だけをあてにするわけにはいきません。別の解決方法が必要です。

TeleMapicsの社長マイケル・ドブソン氏の意見では、ユーザーからの検索内容を分析することも、問題解決の一助になるとのことです。例えば、ユーザーがある場所を検索しようとして表示されなかったとき、アップルはそれを起こりうるエラーとしてデータベースにフラグを立て、なぜそれが表示されなかったのか原因を探ることができます。

もう1つの解決方法として、ユーザーがもっとレポートを送りやすくなるインターフェースを提供する方法も挙げられます。グーグルはマップメーカーと呼ばれるサービスを提供しています。これはブラウザベースのツールですが、このツールのおかげで誰でも不具合をレポートしたり、不正確な地図を編集したりして、地図をより完全なものに近付けることができます。

グーグルマップのもう1つの強みは、同社がマップに関する問題を解決するために、5000~7000人もの従業員を当てている点にあります。これに対して、現時点でアップルが自社製サービスのために200~300人以上の人員を割いているとは思えない、とドブソン氏は述べています。このあまりにかけ離れた対応の違いからも、現時点でなぜグーグルマップがアップル製よりも正確なのかを知ることができます。

さらに、グーグルは自社に車のドライバー軍団を持っており、これまで世界中を800万kmも移動しながら、GPSによる道路の実地検証、建物の撮影、商業施設の名称と住所の確認などを行ってきました。

ドブソン氏の指摘によれば、アップルの問題のうちいくつかは、他の問題よりも簡単に解決できるとのことです。その中には、建物やハイウェイが溶けているかのように見える問題、特定の家屋が雲で見えなくなる問題などが含まれます。


"最も深刻な問題は-それは間違いなく今でも続いているのだが-検索ポイントの処理である。ここでいう検索ポイントとは、商業施設のみならず、学校、病院、公園、警察、消防署などが含まれる。

これまで、アップルマップで「場所が見あたらない」「名称が別の位置に表示される」といった報告が世界中から寄せられてきた。これは特に大きな問題である。ユーザーは場所を検索するときに、住所ではなく名称で検索したがるからである。検索した場所が別の位置、さらには別の方角に表示されるような地図は、使い物にならない。"


ドブソン氏は、アップルが独自のマップメーカーツールを作ってはどうかと提案しています。同氏の意見では、アップルは物事をシンプルにすることで強みを発揮する会社なので、「スーパーシンプル」な編集用インターフェースを作り出すことができるだろう。そうすれば、ユーザーがその地域の地図を変更したり、修正したりできるようになるだろうと述べています。

アップルは、ユーザーがエラーを報告できるような手段を既に提供していますが、現時点において、報告できる選択肢は信じられないほど基本的なものばかりです。「情報が不正確」「ピンの位置が不正確」「検索したい場所が存在しない」「私と同じ問題はリストに載っていない」といった曖昧な答えしか選べません。

タブロット氏のレポートは目から鱗が落ちるような内容でした。特に、グーグルが、自社のマップを正確なものにするためにどれだけ労力を注いできたか、考えたこともない人にはなおさらでしょう。実際、アップルがあの程度の自社製マップを公開したことの方が驚きです。

iOS上のグーグルマップは素晴らしい出来です。なるほど、方向指示ナビゲーション機能こそありませんが、少なくとも実働しており、常にほぼ100%正確です。アップルが自社の約束を果たすまでにはまだ時間がかかりそうですが、それならなぜ自社のサービスに多くの仕事が必要だと気付いた段階で、グーグルをあんなに素早く引っ込めたのでしょうか。

この問いに納得いく答えが見つけられません。皆さんはいかがですか?

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