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9.7インチ新型iPad 対 iPad Air / Air 2:スペックや違いを比較

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iPad Air 2の後継機とされる「9.7インチiPad」が登場しました。iPad 4あるいはそれ以前の旧モデルを使用しているユーザー(既存ユーザーの3割)にとって、9.7インチ新型iPadは価格も低く抑えられ、買い替えの検討には魅力的なモデルと言えるでしょう。

一方、最も多数を占める初代iPad AirおよびiPad Air 2のユーザー(既存ユーザーの3.5割)の中にも、買い替えを検討している人はいるはずです。

iPad Airシリーズと9.7インチiPad。名前からAirが消えたこと以外に、何か違いはあるのでしょうか。

スペックの違い

価格
9.7インチiPadの価格は32GBが37,800円、128GBが48,800円。上位モデルの9.7インチiPad Pro 32GB(2016年発売)が62,800円なので、価格面での魅力は抜群です。ちなみに、9.7インチiPad発表以前のiPad Air 2の価格は42,800円からでした。

サイズ
9.7インチiPadはiPad Air 2と比較してバッテリー容量が増え、それに伴い本体の厚みは1.4ミリ厚くなり、重量は32グラム増えました。9.7インチiPadの筐体は重量も含めて初代iPad Airと変わりません。

Wi-Fi規格
iPad Air 2と9.7インチiPadは、今では広く普及している「802.11ac」に対応しています。同規格は最新ではないものの、現在広く普及しているものの中では最速の規格です。一方、初代iPad Airは1世代古い「802.11n」に対応しています。

カメラ
初代iPad Airでは背面カメラの画素数が5メガピクセルでしたが、iPad Air 2では8メガピクセルへとアップ。そして9.7インチiPadもこの8メガピクセルが据え置きとなっています。

CPU
iPad Air 2には当時の最新CPUであるA8X(トリプルコアプロセッサ)が採用されていますが、今回の新型モデルでは、iPhone 6sやSEと同様のA9(デュアルコアプロセッサ)へと変更されました。

スペックが高くなれば当然パフォーマンスも向上します。9.7インチiPadは、iPad Air 2と比較するとマイナーチェンジではありますが、初代iPad Airからは大きな飛躍を見せています。

日常の使用から、iPadのマルチタスクの処理能力(CPUの性能)を正確に測るのはほぼ不可能。使用するアプリによって処理能力は変わってくるからです。とは言え、ベンチマーク測定アプリ「Geekbench 4」によれば、9.7インチiPadのシングルコア性能はiPad Airの両モデルと比較して最も優れているようです。またマルチコア性能においても、トリプルコアプロセッサを搭載したiPad Air 2に匹敵するほどの高い性能を示しています。

ディスプレイ
初代iPad Airには、iPad 3およびiPad 4と同じく、LEDバックライト搭載のマルチタッチディスプレイが採用されています。また表面ガラスや、傷がつきにくいコーティング技術も施されています。一方iPad Air 2では、乱反射を抑えた「反射防止コーティング」を施した、フルラミネーションディスプレイに一新されました。

さて今回の9.7インチiPadの液晶ディスプレイには、初代iPad Air同様、フルラミネーションディスプレイは搭載されていないようです。画面の好みは人それぞれだと思いますが、「修理」という点ではありがたい変更かもしれません。画面がひび割れても、フルラミネートされていないため、ガラスを交換するだけで修理が可能になるからです。

9.7インチiPadのターゲット層

iPad Airシリーズのユーザーにとって9.7インチiPadはそれほど大きな変更点がないため、iPad Airユーザーをターゲット層にしているわけではなさそうです。われわれ消費者の視点で考えると、iPad Proとそれ以外の機種を差別化するための戦略とも考えられますし、iPad 4とそれ以前の旧モデルのユーザー(iPadユーザー全体の約3割)を対象とした、買い替えを促すための新製品とも考えられます。

一方、学校など教育現場への普及を考えると、9.7インチiPadのように製品の価格が安ければ、導入費用も低く設定でき、より多くの現場で使用することが可能になるでしょう。さまざまな人がさまざまな方法で使用する教育の場面では、液晶画面がフルラミネートされていないことも、修理などの面においてメリットになるかもしれません。

9.7インチiPadとiPad Air 2を比較すると、ある面では前者が優れていて、またある面では後者の方が優れています。つまり iPad Air のユーザーも9.7インチiPadを購入すれば、機能によってはそのメリットを享受できるというわけです。

iPadの買い替えサイクルはコンピュータの買い替えと似ているところがあります。人によっては「まだ買い替えの時期ではない」と感じているかもしれません。

9.7インチiPadは今後、iPad Airのユーザーやあるいは教育産業の市場にどれだけ受け入れられるのでしょうか。今回の例に似ていますが、iPhone SEの発売当初、iPhoneの主力モデルからiPhone SEに買い替えた人はそれほど多くはありませんでした。9.7インチiPadとiPad Air 2のスペックにさほど大差がないことを考えると、新型モデルに移行するiPad Air 2のユーザーもそれほど多くはないのではないでしょうか。

Apple , Apple Insider

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