出たばかりの新iPad AirとiPad mini Retinaディスプレイモデルですが、ちょっと意外だったのは、両者ともスペックが同じだったことでした。iPad miniが兄貴分のiPadより少し劣ったのはもう過去の話。今後はどうやら、その違いはサイズのみとなりそうです。米国のForbesが伝えております。
どっちも買えばいい by ティム・クック
アップル専門家のジョン・グルーバー氏は、新iPadの発表が行われたイエルバブエナセンターの展示会で、TechCrunchのMGシーグラー氏と一緒でした。そこにアップルのティム・クックCEOが登場。シーグラー氏はクックCEOに、新しいiPadが二機種ある中どちらを選ぶべきか、迷っていると訊ねました。クックCEOは笑って、「どっちも買えばいいんじゃないですか」と答えたそうです。
アップルがA7チップに注ぎ込んだ技術的進歩を当然のように思うのは簡単なことですが、この二つの新しいiPad内部にあるものを軽んじるのは適切ではありません。スペックが同じとは言っても、両者には100米ドルの価格差、またサイズと重量に約20%ほどの違いがあります。
ところでiPhone 5sには、新iPadには無い特徴が二つあり、それは、性能進化したカメラとTouch IDです。ゴールドカラーのオプションもあるだろうという向きもありますが、まあそれは置くとしましょう。この二つの特徴を外したことは、サプライチェーンへの負担を軽くするとともに、iPhone 5sをiOSデバイスの最高機種とするアップルの狙いにも合致するわけです。
iPhone Air?
グルーバー氏によると、新しいiPadは、来年リリースが期待されている大型スクリーンのiPhone 6に関して興味深い含みがあるとのこと。同氏の見立てでは、アップルは来年、大型スクリーンのiPhoneと、4インチサイズのiPhoneをデビューさせ、その二つはスペックが同じになるとされています。A8プロセッサー、iPhone 5sより高性能なカメラ、同じメモリー容量です。全部同じですが、ディスプレイのサイズだけは違う...。また来年の新iPhoneは現行のiPhone 5sよりもピクセル数が多くなり、新しい4インチモデルのiPhoneも現行よりピクセル密度が高くなる可能性が濃厚です。これは今回の新iPad二つの事情と同じです。
またネーミングについても、今回の類推から言えば、新しい大型スクリーンのiPhoneは、かなり薄型となりそうな予感から「iPhone Air」と呼ばれ、高ピクセル解像度の4インチモデルの方こそ「iPhone 6」とされそうです。
スペックが同じならiPad miniという意見も
今年のホリデーシーズンについて言えば、多くの人々が、どちらを買えばいいのか?というシーグラー氏と同じジレンマを抱えているようです。同じスペックなら、新iPad miniに決まりというグルーバー氏の意見もありますが、皆さんはどうお考えでしょうか。
iPadの使用用途が主に読書やインターネットで、スクリーン上でキーボードをタイプするというのでなければ、その便利さから言って、iPad miniの方がいいでしょう。視力の良い人には特にふさわしい選択肢です。
アップルからの変化球にどう対応する?
しかしアップルはここで、ちょっと変化球を投げてきます。Retina付きiPad miniは「11月後半にリリース」なのです(Airは11月1日)。これを現実的に解釈すると、11月後半に購入できる可能性は極めて低いということです。IHSの試算によると、iPad miniの10月~12月期の出荷台数は、昨年同期の3割程度になるようで、iPhone 5sゴールドモデル以上の供給薄が見込まれています。
すべてのiPad mini購入希望者が年内にゲットできるわけではないのです。
ちなみに、iPad mini RetinaモデルとiPad Airはどちらが人気なのでしょうか。市場調査会社MMD研究所が15歳以上の男女4,414人を対象に行った調査では、iPad Airの購入希望者がminiのそれを若干上回りました。
さあ、どちらを購入すべきなのか、迷うところです。