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アップル取得済み特許が、iPhone 6について教えてくれるもの

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アップルが取得した特許のポートフォリオを見ると、未来の製品として何が誕生するかを垣間見ることができます。iPhone 6がどんな製品となるか、英国のMacworldが特許を手掛かりに探っております。

アップルの秘密主義は有名ですが、特許に関しては、米国特許商標庁(USPTO)にそのリストを提出しなければならないのは、他の企業と同じです。このリストが、将来の未だ見ぬ製品のヒントを与えてくれます。

アップルの緻密な特許取得はよく知られていますが、その高度な専門性によって逆に製品プランを偽る場合もしばしば。また、製品の丸みを帯びた角、長方形の形状、四角いアイコン、スクリーンのダブルタップなど、アップルのデザインを保護するために、たくさんの特許が申請されています。これはもっぱら、現在進行中のサムスンとの係争に関わるもので、サムスンに製品のコピーを止めさせるための動きです。

しかし同時に、アップルの取得した特許の数々は、この企業が何に取り組んでいるのか、また何に興味を抱いているのかを示す大きなヒントとなり得ます。近い将来どんな新製品が誕生するのかを示唆してくれています。

曲面ディスプレイ

iPhone 6のディスプレイについては、さまざまな憶測が飛び交っており、次世代iPhoneは大型化する、曲面(カーブ状)ディスプレイをもつなどと言われていますが、曲面タッチスクリーンの製造方法について、アップルは特許を取得済み。

アップルの「曲面タッチスクリーン」特許は、カーブ状のタッチ表面を形成する方法を記述しています。将来のiOSデバイスで採用されるかもしれません。

あなたの顔がパスワードになる

米国特許商標庁は昨年12月、アップルに対して、「顔認知技術を用いたコントロールデバイス」に関する特許を交付済み。iPhone 5sのTouch IDセンサーにより、私たちは自分の指紋を使ってデバイスをアンロックすることができるようになりました。

しかしこの特許であれば、顔認知によりiPhoneをアンロックできるようになるかもしれません。これが効果的に機能すれば、あなたの顔がパスワード代わりになる可能性があります。

Touch ID指紋認証センサーのさらなる進化

アップルが昨年5月に提出した特許申請書は、612ページにも及ぶ大部なものでした。これを世界知的所有権機関(WIPO)が11月に公開し、アップルが指紋認証センサー技術をさらに進化させようとしていることが分かりました。

iPhone 5sで導入されたTouch IDは、アップルがこの技術を通じてやろうとしていることの始まりに過ぎないようです。この特許でアップルは、指紋認証センサーをホームボタン下に保ちながらも、さらに機能性を付加しようとしているようです。例えば、ジェスチャーをTouch IDホームボタンに導入する可能性を探っています。

Touch IDディスプレイ

アップルのiPhone 5sの指紋認証スキャナーは、現時点でも大きなニュースです。2013年1月、アップルは特許20130181949号を取得、これは指紋認証スキャナーをディスプレイに組み込む方法に関するものでした。

ユーザーはこの技術によって、ホームボタンの代わりに、ディスプレイ上に指を置いてスキャンすることになります。この技術が、iPhone 5sに見られるホームボタンスキャナーの原型だったのかどうか、また触覚技術と結びつくことで、未来のiPhoneからはホームボタンがなくなって、オンスクリーンの仮想ボタンとなるのかどうか、今のところ定かではありません。

この特許は、指紋認証センサー層を備えたタッチスクリーンに関するもので、進化したマルチユーザーサポート導入のきっかけになるかもしれません。例えば、あるユーザーがある特定のアプリを開くためだけに、指紋認証センサーディスプレイが採用される?という可能性もありです。iPadで遊ぶのが好きな子供向けに、その使用を制限するのにも有用である可能性があります。また、アップルはさらに、このディスプレイを進化させて、ピアノアプリと連携することで、鍵盤上で正しい指の動きを学習できるようにするなど、興味は尽きません。

タッチ精度のさらなる高度化

アップルは、iPhoneユーザーが移動中のタッチインプットのミスを防ぐ特許も取得しています。この特許は、動きのパタンを検出するセンサーを使ったもので「可変的デバイス向けグラフィカルユーザーインターフェース」と題するもの。例えば、走っている時やジョギング中にiPhoneを使用することを可能にするものです。

NFC(近距離通信)

米国特許商標庁は2013年、NFC技術をカバーするアップルの特許を公開。電子機器に対してNFCを導入する方法とシステムに焦点を当てた特徴の数々に触れています。NFCは射程の短いワイヤレスの基準で、モバイルフォンや他の電子機器を互いに連絡させます。

アップルは過去、複数のNFC関連の特許を申請済み。なかにはiWallet支払いアプリの詳細に関する申請も含まれています。

サファイア

アップルは、iPhone、iPadなどにサファイアを使用することに関する特許も取得済み。米国特許商標庁は2014年1月、「アタッチメント技術」と題する特許を発表しました。これは、サファイアをデバイスに埋め込む方法の詳細に関するもの。サファイアはすでに、アップルのカメラレンズカバーに採用されていますが、将来的には、ディスプレイ素材として使われる可能性があります。

iPhoneカメラに関する特許

アップルiPhoneに関する特許の多くは、そのカメラに関係しています。iPhoneは近い将来、3Dイメージを映し出すことができるかもしれません。去る12月に公開されたアップルの特許は、立体イメージデータを捉える方法に関するもの。奥行きのある画像を形成する技術です。

未来のiPhoneは、適当な二つの写真を選び、これを組み合わせることで立体イメージを作り出すことができるようになるかもしれません。3D イリュージョンを生み出す奥行きを人間が知覚する方法を模倣したものです。

米国特許商標庁が11月26日に公開した特許は、写真が撮影された後、ユーザーがその写真に再フォーカスできるようにする技術に、アップルが興味をもっていることを示しています。このような技術はすでに、Lytroカメラで使われており、写真を一枚撮った後、その写真にどのようにフォーカスするかを選択することができます。

アップルの特許は、このLytro(デバイスとしては大きい)をiPhoneに適用する方法に触れています。かなりトリッキーなので、次期iPhoneに採用となることはなさそうですが、あと数年後には、カメラロールに再フォーカス可能なイメージが並ぶかもしれません。

またアップルはiPhone向けにGRIN(勾配屈折率光学)カメラに取り組んでいるというニュースがあります。これは他の特許ほど風変わりではありませんが、高性能カメラを備えながら、デバイスをより一層薄板化することが可能です。カメラは、iPhoneの厚さを決定付ける主要素の一つです。このことが理由で、iPhoneのカメラは、より薄いiPod touchのそれより高性能なのです。

より薄型のカメラは、より薄型のデバイスと等価です。特許US20130208169 A1号は、超進化系の勾配屈折率光学(GRIN)を用いたカメラシステムに関するもの。GRINカメラは、光がカメラのレンズに当たる前に、光を屈曲させることで、レンズをより薄くすることができるのです。

交換可能カメラレンズ

アップルはまた、iPhoneのカメラレンズを交換可能にしようとしています。アップルは2014年1月、レンズとカメラモジュールを、iPhoneやiPadのようなデバイスから着脱可能にする方法を記述した2つの特許を取得済みです。

最初の特許は、「異なるカメラレンズオプションを備える携帯電子デバイス向けバックパネル」と題するもの。これはiPhoneのような携帯電子デバイスが、広角レンズや魚眼レンズを付け替え可能にするリムーバブルケースをもつようにします。

第2の特許は、「一列に並んだリッジをもつマグネット式アドオンカメラ」と題するもので、マグネットを使って、iPhoneに新しいカメラレンズを付ける方法について記述しています。

それにしても色んな可能性を想定しての、数多くの特許があるものですね。未来のiPhoneはどんな姿になっていくのでしょうか。

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