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不具合多発のiOS 7、アップルは"マジック"を失ったのか?

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アップルのiOS 7はリリース後、もっともトラブルの多いモバイルオペレーティングシステムとなっており、スティーブ・ジョブズが2年前に他界して以来、アップルは何か大切なものを失ってしまったのではないかという懸念が生じつつある昨今です。米国のUSA Todayが伝えます。

iOS 7は9月18日にリリースされましたが、それ以来、バグや欠陥が多数見つかっています。

バッテリーの減りの早さ、Wi-FiおよびBluetooth接続の落ちやすさなどが、アップルのサポートコミュニティーで大きな問題となっています。アプリの動作が拙くなったり遅くなったりする、インターフェースが使いづらい、ゲームの動作がおかしいなど、いくつかの欠陥が報告されています。

メディアやテクノロジー関連のコンサルであるIBB Consultingのジェファーソン・ワン氏は、「アップルは、顧客の信頼を維持するため、細かい所により一層の注意を払い、もっときめ細かいデバイスのテストをする必要がある」と述べています。

iMessageは、電話機能と同じぐらい欠かせない機能ですが、新OSではiPhoneからテキストが送信できないという不具合が報告されています。

ユーザーのエリック・レツラフ氏はiMessageについて、「みんなが使うものなのに、こんな不具合が生じるのは、本当にいら立たしい」とインタビューで答えています。

iPhone 5sのあるユーザーは、Windows PCのスクリーンがフリーズしてブルーになるのと同じような経験をした人もいます。

「まるでマイクロソフト製品のリリースみたいだ。これまでアップルではこんなこと一度もなかったのに。とても驚いている」と、レツラフ氏。

これらの問題はアップルに対して、その大きく様変わりしたOS変更の決断、また、ジョナサン・アイブをその開発大半の管轄に任せたことに疑問を突きつけています。

コンサルティング企業のニールセン・ノーマングループの上席研究員であるラルカ・ブデュー女史は、「今回のiOSは、アップル史上もっとも問題が多い」と述べました。同女史は今月12日に報告書を発表、新OSのデザインの使いにくさを訴えています。

目立つデザインだったボタンは背景に紛れて見づらくなっており、見やすかったリンクは今や通常のテキストと見分けがつきにくくなったと、ブデュー女史。

同女史は個人的にもiOS 7で問題を経験しており、新OSを自身の旧iPhoneにインストール後、バッテリーの減りが一段と早くなったと述べています。その後、新iPhone 5sを入手して、その問題はなくなったと初めは思われたようですが、新iPhoneもまたバッテリーの減りの早さは相変わらずとのこと。

iOS 7のバッテリー問題は、多くのアプリを同時に作動できるiOS 7の能力自体にある模様です。これまでのiOSでは、一つか二つのアプリしか同時に作動できず、このためバッテリーの使用量も限られていたと、同女史。

しかしながら、ブデュー女史は、iOS 7の問題を、マイクロソフトの伝説的なまでにトラブルの多いOSアップグレードに比べればまだマシと見ており、例えば2007年のVista、最近のWindows 8などでは、数々の問題が指摘されました。マイクロソフトは、ユーザーの抱える問題への対処として、Windows 8.1をリリースしたばかりです。

「iOS 7は問題があるけれど、Windows 8ほどではない」と、同女史。

いくつかの問題に対処するアップデートを、アップルはすでにリリース済みで、ロックスクリーンのパスコードを迂回できるバグなどへの措置も含まれています。しかしリリース後8日間に2回というiOS 7のアップデートのペースは、これまで先例のないもの。通常、アップデートはリリース30~60日後に一回あるのが普通です。

アップルは今後数週のうちに、さらにバグ修正のアップデートを計画しており、おそらくは新iPadが登場する10月22日以降に発表される模様です。

アップル広報担当のトラディー・ミラー女史は、「iMessageのユーザーのごく一部に問題が発生していることは、私たちも承知している。今後のソフトウェアアップデートで、これを修正する予定だ。ユーザーの方々にはご不便をおかけし申し訳なく思っている」と述べましたが、それ以上のコメントは避けました。

高い要求水準
iOS 7への批判として、アップルのパートナー企業数社は、ほとんど学習の必要なしに、デバイスとソフトウェアがまるで魔法のように機能すると思っているユーザーを、アップルが教育しようとしているからだと述べています。

コンサート、スポーツ、劇場のチケット向けiOSアプリであるApplauzeのCEOであるキラン・ベルッビ氏は、「我々は、ハードウェアと自動的に協働する高品質かつファンタスティックなソフトウェアを期待しすぎているので、二、三のバグが見つかっただけで、世界が終わったかのように感じている」と述べています。

実際のところ、iOS 7は発表後1か月も経たないうちに、既存のiPhone、iPad、iPodタッチの70%以上ですでにインストールされています。他方、新iOSのダウンロードに興味がない、または警戒心が強い層もいるようです。

「これまでのiOSリリースでは、もう新iOSをアップデートした?というのが合言葉でしたが、今回の場合、気に入らない、ダウンロードしない、要らない、などという人が多数」と、前述のワン氏。

デザインについて
今回のiOS 7は、iOS 6からラジカルな変貌を遂げました。それが発表される前から、アップルのフラットデザイン採用については賛否両論でした。アップルは、現実の事物に似せた装飾やデザインの効果を特徴とするスキューモーフィズム(skeuomorphism)を捨てました。

初期マッキントッシュPCのデザインを手掛けたFrog Designの主席クリエイティブオフィサーであるマーク・ロルストン氏は、「私は新iOSの機能性が全体として気に入っている。しかしビジュアルは未完成の印象だ。カラーデザインはひどい。フラットすぎる」と述べています。

ハードウェアの問題もまた発生しています。iPhone 5sのモーションセンサーがちゃんと動かないと訴えるユーザーがいます。加速計に依存するゲームにおいて、その欠陥は明らかで、デバイスを傾けた時に不正確な結果が出ます。iOS 7で使われている新しい傾斜計やジャイロスコープにも欠陥があるとする報告も出ています。

皆さんもすでにiOS 7をお使いかと思いますが、その印象はいかがでしょうか?

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